ブランドロゴは大きいほうがいいワケ

エルメスやシャネルに代表されるハイブランドのバッグも値上げが続いている。24年の2月にもエルメスが20%前後の値上げを実施した。

「エルメス、シャネル、ルイヴィトンという3大ブランドのどれかであれば、どんなにボロボロでも0円査定ということはありません」

と田口氏は断言する。

ただし腕時計や貴金属とは違い、バッグは消耗品なので、見た目の美しさが査定金額に直結する。

「中古バッグの購入者はコンディションを気にします。四隅の擦れやハンドル(持ち手)の汚れなどがないほうが高く買い取りができます」(田口氏)

バッグは年式も新しいもののほうが値段は高くなる。洋服と同じで流行があるからだ。ただし3大ブランドのバッグであれば、昔のものでも、購入価格より高く売れる場合がある。

たとえばルイヴィトンの「ネヴァーフル」というトートバッグは、15年くらい前に発売された当時は10万円以下で手に入った。しかし現行モデルでは定価が約25万円。3倍くらいに値上がりしたものの、依然として大人気だ。

「発売直後に手に入れてほとんど使わずに保管していた場合は、購入価格以上の値段で買い取れるケースが多いです」(同)

ほかにも買ったとき以上の金額で売れそうなバッグの代表例が、シャネルの「マトラッセ チェーンバッグ(1112)」。バブルの頃に大流行した品物だ。

「今でも人気が高いので、買い取り金額も上がっています。製造されなくなり、中古でしか手に入らないからこそ価格が上がっているモデルもある。特に海外の方の需要が高いですね」

バッグのリユース市場においても、やはり買いたい人が多いものほど高値がつく。

「仮に知る人ぞ知るような素晴らしいレアものであっても、期待されるほどの値段をつけられないこともあります。やはり二次流通ではパッと見て“ブランドもの”とわかる品が人気です。ロゴが大きく入ったものや、ルイヴィトンならモノグラム柄のもの、エルメスならバーキンやケリーなど。探している人が多いと、それだけ買い取り価格も高値で安定します」(同)

飽きたら売って買い替えることを前提にブランドバッグを買うなら、あまり奇抜な色や柄は選ばないほうがいい。黒や紺や茶など定番の色のほうが、ほしがる人が多いからだ。また長持ちする素材を選ぶことも大切。エナメル加工されたものはレシートの文字が転写してしまったり、バッグ同士がくっついたりして劣化しやすいので要注意。

「持ち手にスカーフを巻いて持つと、見た目もきれいですし、手垢がつくのを予防できます」(同)

使わずに長期保管する場合は、ホコリがつかないように不織布のカバーなどをかけて、湿度50%前後で保管する。湿気が多すぎても少なすぎてもバッグにダメージを与えてしまう。

「買ったときについてきたネルなどの袋に入れて保管する方も多いと思いますが、高温多湿な日本では湿気を吸収してしまい、カビが生える原因になるので注意してください」(同)

この夏、自宅や実家に眠るお宝を探してみてはいかがだろうか。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年7月19日号)の一部を再編集したものです。

(文=長山清子、撮影=藤井昌美、写真提供=株式会社コメ兵)
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