まだまだ高騰する? 高級腕時計の魅力

スマートウォッチを愛用する人も増えたが、やはり男性にとって一生の宝物といえば高級腕時計だ。

すでに述べたように、現在、買い取り価格が高いのは圧倒的にロレックス。特にスポーツモデルと呼ばれる「エクスプローラー」「デイトナ」「サブマリーナー」「GMTマスター」「ヨットマスター」などには世界中のファンから注目が集まる。30~40年前のものになると、希少性からかなり値が張るものもあると増川氏はいう。

また、ロレックス以外で高額買い取りが期待できるのは世界3大時計といわれるブランド――パテック・フィリップ、オーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンだ。

今売れば円安の恩恵を受けられます。時計をいくつか売って1000万円を超えたという方もいますよ

「このあたりは古くてもしっかり価値が残ります。90年代のパテック・フィリップなどは名品と呼ばれるものも多い。『古すぎて価値はないかも』と思っていても、実際に査定すると、すごい値段がつく場合もありますよ」(増川氏)

ちなみに、年代でいえば、80年代後半から00年代にかけて生産された時計の相場がじわじわと上昇している。シャネルの「プルミエール」などは人気が再燃した代表モデルだ。

いざ時計を売るとき、査定のポイントとなるのが、商品を買ったときに入っていた箱やケース、保証書、サイズを詰めるときに出る「余りコマ」など付属品の有無だ。箱は新品同様でなくても構わないが、メーカー発行の保証書のあるなしは価格を大きく左右する。

「たとえばロレックスの古いものなら紙の保証書が、比較的最近のものならギャランティカードがついているはずです。そこに書いてあるナンバーは、その時計が正規品であることを証明する世界で一つだけの番号。査定額が10万円以上変わることもありますから、必ずそれらを探し出して持ち込むことをおすすめします」(同)

ちなみにロレックスの中古品でも、女性用は男性用と比べてあまり高値がつかない。女性用の時計は時代によってデザインの変化が大きく、最新モデルのほうがよく売れるからだ。

ところで使い込んだ時計はキズや汚れが気になるが、そういうものでも買い取ってもらえるのだろうか。

「もちろん見た目はきれいなほうがいいですが、多少のキズや汚れがあったからといって買い取り価格が大きく下がることはありません。外装をピカピカに磨き上げる技術がありますから」

と増川氏はいう。

長い間放置していたクオーツの時計が止まっていて、動くかどうかわからない場合は、売る前にまず電池を入れてみたほうがいい。それで動くなら問題ないが、気をつけたいのは電池を入れても動かない場合だ。「直してから売ったほうが高く売れるだろう」と思い、なじみのないお店に修理を頼むのは危険だ。

「信頼のおけるお店で、必ず正規の部品を使った修理を依頼してください」と増川氏はいう。ロレックスの修理は、ロレックスのオリジナルの部品を使うのが鉄則。違う部品を使えば、それはもうロレックスではなくなる。価値がゼロになってしまうのだ。無理に修理しようとせず、そのまま売ったほうがよい場合もある。

なお、使わない腕時計を長期保管する場合は、電池を抜いて保管するのがおすすめ。液漏れして回路がダメになる恐れがあるからだ。

時計を売る前の2つのチェックポイント