脱水症状がある場合は控えたほうがいい
最近の研究によれば、「健常者では、カフェイン含有飲料も、1日に必要な水分量の補給に有用である」と結論づけられています。
また、全米アスレティックトレーナーズ協会ポジションステートメントによれば、安静時にカフェインによる利尿が誘発されやすい人でも、運動時には誘発されないので、運動前の多少のカフェイン含有飲料の摂取は許容されるとしています。
カフェイン入り飲料をとるタイミングは、あくまでも日頃の水分摂取としてです。治療的な飲料の摂取が必要なとき、つまり脱水症状があるような場合には摂取を控えたほうがよいでしょう。
なぜなら、ただでさえからだに水分が少ない状況において、さらに多少なりとも利尿作用が加わることは脱水症の治療に不利になるからです。
以上に挙げた注意点を守ったうえで、カフェイン入り飲料も水分補給として日常的に摂取することは問題ありません。飲料のバリエーションも増えるので、楽しんで水分補給するとよいでしょう。
これは、私が老健施設の職員から聞いた話です。
毎日、緑茶を飲まれるのを楽しみにしていた高齢男性の入所者さんがおりました。ある日、テレビで「カフェイン入り飲料である緑茶は水分補給には適さない」という話を耳にしました。
その日以来、その入所者さんは、緑茶の摂取を控え、お水や麦茶を飲むように心がけていました。
しかし、冷たい飲み物はあまり口に合わず、摂取は進まず、水分補給量が不十分になり、脱水症を呈してしまったそうです。
このように、カフェイン入り飲料の摂取を頭から否定してしまうと、日頃から摂取していた人は、飲める飲料がなくなってしまうのです。
・ただし、過剰摂取は控え、脱水症状があるときや感受性が高い人は控える。