無理なくリコピンを摂るための習慣
私たちの健康維持に欠かせない、抗酸化力の高い栄養素として注目されているのが、カロテノイドの天然色素であるリコピンとβカロチンです。
まずリコピンは、トマトや金時にんじん、スイカ、柿、すもも、ピンクグレープフルーツ、パパイヤ、マンゴーに多く含まれています。
加熱しても栄養素が壊れにくいだけでなく、加熱によって吸収率が上ります。油脂と一緒に摂ればさらに吸収率が上がるので、パスタではトマトソースを選ぶ、朝はトマトジュースを飲むといった習慣を身につければ、無理なくリコピンを摂ることができます。
日常的に料理をする方なら、トマトピューレやトマトの水煮を常備し、いつでも使えるようにするのもおすすめです。私も肉や魚料理に加えたり、スープに加えたり、カレーの隠し味に入れたりと調味料のように使っています。
これはケチャップでも同じ効果があるので、トマトが苦手な人も取り入れやすいのではないでしょうか。
もちろん、生のトマトをそのまま食べるのもおすすめです。加熱したものに比べるとリコピンの吸収率は若干下がりますが、オイルを含んだドレッシングをかけるだけで吸収率を上げられます。さらに加熱加工したものにはない、ビタミンCなどの栄養素を取り込むことも可能です。
リコピンは赤い色素に含まれているので、買う際はぜひ色が真っ赤なトマトを選んでください。リコピンは、体内に取り込んだ後も比較的長く蓄積されるので、少しずつ継続的に摂ることで効果も増します。
継続することで少しずつ免疫力が上がってくる
次に、βカロチンは緑黄色野菜に多く含まれ、にんじん、ほうれん草、ケール、かぼちゃ、ニラなどに多く含まれています。βカロチンもリコピンと同様、加熱しても壊れにくく、油脂と一緒に加熱して摂ると吸収率がアップします。
にんじんに含まれるβカロチンは、細かく砕くことでも吸収率が上がります。そのため、市販の野菜ジュースではβカロチンが摂れる野菜として定番になっています。
βカロチンを効率的に摂取するための調理のポイントは、高温で長時間加熱せず、短時間でさっと加熱することです。それによってβカロチンが残りやすくなるので、普段から緑黄色野菜と油を組み合わせた料理を意識するのがおすすめです。
βカロチンは、体内に吸収されると必要な分だけビタミンAに変換され、ビタミンAとしての効果を発揮します。ビタミンAはレバーなどの主に動物性食品に多く含まれていますが、これだけを過剰に摂取すると肝臓に負担がかかってしまいます。
その点、βカロチンは体内で必要な分しかビタミンAに変換されないので、直接ビタミンAを摂取するよりも効率的と言えます。
今の環境を変えたり、精神的なストレスをすぐになくすのは難しいものですよね。そこで、リコピンやβカロチンを無理のない範囲で食生活に摂り入れてみてはいかがでしょうか。継続することで少しずつ免疫力が上がってくることを期待しましょう。