コンビニのレジ横の募金箱に小銭を入れるだけでいい
もうひとつ研究をご紹介します。
カナダにあるサイモン・フレーザー大学のキャサリン・ハンニバルは、50名の元犯罪者に、自分にではなく、他人のためにお金を使ったときのことを思い出してもらいました。すると、元犯罪者もポジティブな感情が高まったのです。
さらにハンニバルは、64名の非行少年と、777名の元犯罪者に、貧しい子どものためにお金を使ってもらったのですが、やはりポジティブな感情が高まることを確認しています。思いやりなどなさそうな犯罪者でも、他人にお金を使うのは気持ちがいいことなのでしょう。
「最近、あまり幸せな気分を感じることがない」という人は、ぜひ他の人のためにお金を使ってみてください。
お金の多寡は関係ありません。わずかなお金でもかまわないのです。
豪勢なディナーをおごってあげなくともよいのです。ごく普通の居酒屋で食事をし、ワリカンにするときにほんの少し多めに払うだけでもよいでしょう。
コンビニやスーパーには、レジの横に募金箱が置かれていることがありますよね。
そういう募金箱を見つけたら、1円でも10円でも入れましょう。ほんの少しでも困っている人の援助ができたということで、幸せな気分になれます。
「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、まさしくその通りで、人に親切にすることは、自分自身が幸せを感じるための方法です。
ケチケチせず、どんどん他の人のためによいことをしてください。
いつでもポジティブな人ほど長生きできる
他の人のためにお金を使うと、だれでも気持ちがよくなります。うれしさや高揚感、幸福感などのポジティブな感情が高まるのです。
恩恵はそれだけではありません。
なんとポジティブ感情は、長生きをすることにもつながるのです。
オランダにあるティルブルフ大学のペトラ・フーンは、1018名の慢性冠症候群(以前は安定冠動脈疾患と呼ばれていました)の外来患者を10年間追跡調査してみました。
この10年間の調査期間中に、369名(36%)が亡くなりました。
けれども10項目のポジティブ感情テストで、標準偏差が8.8点高くなるごとに、すべての死因リスクが16%ずつ減ることがわかりました。亡くなる人の多くは、ポジティブ感情テストであまり得点が高くない人たちだったのです。
普段から、陽気に明るく、ポジティブな気持ちで生活するようにすれば、それだけ長生きできるのです。