幸せに長生きするには何が必要なのか。心理学者の内藤誼人さんは「他人のためにお金を使えば使うほど幸福度が高まることがわかっている。たとえばコンビニのレジ横の募金箱に小銭を入れるだけでも効果はある」という――。
※本稿は、内藤誼人『すぐに実践したくなる すごく使える社会心理学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
人のためにお金を使うほど幸福感が高まる
私たちは、だれでも自分のことが一番かわいいものです。自分にお金を使うのはまったく惜しくはありませんが、他の人のためにはびた一文でも使いたくない、というのが人情ではないかと思われます。
けれども、本当は自分にではなく、他の人にお金を使うべきなのです。
なぜかというと、他の人にお金を使うと、自分がハッピーな気分になれるから。他の人に親切にすると、至福の気分を味わうことができるのです。こんなにうれしいことはありません。
カナダにあるブリティッシュ・コロンビア大学のララ・アクニンは、136か国のデータから、他の人のためにたくさんお金を使う人ほど、幸福感が高まることを明らかにしています。
文化が違っても、経済状況が違っても、他の人にお金を使うと幸せな気分になるという傾向は世界中の国で確認できました。
貧しい国では、日々の食料を得ることさえ困難です。
けれども、そういう貧しい国でさえ、自分にではなく、他の人のためにお金を使うと、幸福感は高くなるのです。この法則に、例外はありません。どの国の、どの国民も、人のために親切にすると幸せになれるのです。