器の大きな人間になることは自分のためでもある
もしポジティブ感情を高めて長生きしたいなら、とにかく他の人のためにお金を使ってください。そうすれば、なんだかうれしい気持ちになりますし、そういう感情を頻繁に抱くようにしていれば、長生きもできるのです。
自分のためにしか行動しない、というのは人間としてもちょっと小さいと思いませんか。他の人のためにできることはなんでもしてあげてください。そういう「器の大きな人間」になれれば、結局は自分のためにもなります。
自分のぶんのお茶を淹れるのなら、ついでに他の人のぶんも淹れてあげましょう。そういうことが自然にできるような人は、きっと会社でもどんどん出世していくと思うのですよね。
他の人のために何かをしてあげれば、ほぼ間違いなく、「ありがとう!」とお礼を言ってもらえます。感謝されるのはまことに気持ちのいいものです。何かをしてあげているのに、お礼も言わないような人はあまりいません。
親切な人になりましょう。困っている人を見かけたら、もう自動的に「親切スイッチ」が入ってしまうような人間になりましょう。
「憎まれっ子世にはばかる」ということわざはウソです。本当は、人当たりがよくて気持ちのいい人ほど、長生きもできるのです。
タバコを1日15本以上吸うのと同じくらい孤独は健康に悪い
なんでも相談できる友だちがいることは、とてもよいことです。もし何か問題が起きても、友だちがいると思えば、そんなに怖くありません。いざとなれば自分を助けてくれるような友人をたくさんつくりましょう。
友だちがたくさんいることが、あるいは友だちがいないことが私たちの健康にどれくらい影響を与えるのかを調べた研究はたくさんありますが、米国ブリガム・ヤング大学のジュリアン・ホルト=ランスタッドは、そういう論文を148本も集めて、メタ分析という手法を使い、総合的な結論を導いてみました。
その結果、友だちがいないことは、タバコを1日に15本以上吸うのと同じくらいの死亡リスク因子であることがわかりました。友だちがいないことは相当に健康に悪い、といってよいでしょう。
タバコを吸っていない人でも、友だちがいないというだけで1日に15本以上もタバコを吸っているのと同程度のストレスを感じてしまうのです。ちょっと怖いですね。