アメリカのように「夏休み3カ月」は不可能
以前、アメリカから転校してきた児童を担任したことがあります。その児童に聞いて驚いたことがあります、その児童が通っていたシカゴの小学校は、5月末から8月末までの3カ月間が夏休みなのです。そして、8月末から新年度が始まるのです。
教員目線で捉えると、年度末処理と新年度準備を3カ月間かけてできるのです。私が勤める大阪では、春休みは2週間(平日10日間程度)です。初任の頃、4月は死ぬほど忙しい「死月」と先輩教員に教わったほどです。残業や家に持ち帰って仕事をしないと、教科書を開いて授業の準備をするのもままならないまま、1学期が始まってしまいます。
だからといって、アメリカのように日本も夏休みや春休みを増やすことは現実的ではありません。そこで、教員の業務負担を減らす「学校版・働き方改革」のアイデアを紹介いたします。微々たるものですが。
会議・部会を減らせば余裕が生まれる
1つ目は、放課後の会議を減らすことです。
これまで勤務した学校で、ものすごく放課後の会議が少ない学校がありました。企画会議や部会がなかったのです。例えば、「運動会」の案件があるとします。まず、体育部や健康教育部の教員が集まった部会で、運動会についての案件を検討します。部会での検討を基に、次は学年主任や管理職などが参加する企画会で、運動会について検討します。企画会議でも案件が通ったら、職員会議で全教職員に知らせます。
この職員会議の前にある企画会議と、さらにその前にある部会をなくしたのです。毎月、2つの会議がなくなる分、他の仕事をできるようになりました。
2つ目は、「3学期」制でなく「前期・後期」制にすることです。
3学期制だと通知表を3回作成しますが、前期・後期制だと2回で済みます。また、前期の通知表は、夏休み明けの9月ごろに児童に渡すので、成績を夏休みにつけることができました。
こうした現場からのアイデアを吸い上げ、実現していってほしいと願います。そして少しずつでも教員の労働環境が改善され、教員になってみたい! 教員を続けたい! と思う方が増えてほしいです。