休憩時間こそ仕事をするチャンス

そもそも私は、自分の休憩時間が何時から何時まで設定されているか、教員になって10年間は知らなかったのです。休憩時間を意識しない働き方を当たり前のようにずっと続けていました。

だから、夏休みや冬休みに45分間の休憩時間をとれると、贅沢な時間だな~、優雅な時間だな~と思っていました(春休みは年度末と新年度準備の業務がものすごく多いので、45分間の休憩はとれていないです)。

会議や研修、出張などがない日の休憩時間は、仕事をするチャンスの時間です。放課後に会議や研修があると、授業や行事の準備をする時間がほとんどないからです。休憩時間に少しでも仕事をして、残業や自宅に持ち帰っての仕事を少しでも減らします。だから、休憩時間に休んでいる同僚を見たことがないのです。

ちなみに、都道府県や自治体によって、教員1人の週あたりの授業時間は違います。私の場合、クラブ活動や委員会活動の時間を入れて、授業時間は週27時間程度です。30時間(6時間×5日)、全部授業で埋まっている教員も全国にはたくさんいるかと思います。

ノンストップで働くのが当たり前だったが…

これらの事情で、休憩時間に休憩しない(できない)ですが、休憩時間の振り替えはありません。1度もです。求めたこともありません。私のほかに求めた教員や求められた管理職も知りません。お互いどうしようもないことを知っているからです……。休憩時間をとっているどころではないぐらいの業務内容・業務量があることを、お互いに知っているからです……。

山積みの書類と夜の残業
写真=iStock.com/PonyWang
※写真はイメージです

私は朝8時ごろから退勤するまでノンストップで走り(泳ぎ)続けるような働き方を20年以上、続けてきました。これが当たり前だと、もう慣れてしまいました。でも、自分のような働き方を若い教員に求めてはいけないと思っています。

休憩時間など、教員を取り巻く労働環境が少しでも改善すれば、「教員不足」や「教員の休職・退職」や「教員採用試験の倍率減少」の解消につながるとも思います。

教員の働き方について、「業務をもっと効率化することで、休憩時間をとれたり、残業や仕事の持ち帰りが減ったりするのでは?」という考えがあります。しかし、これは難しいと言わざるを得ません。

教員数をもっと増やしたり、1クラス当たりの児童数の数を減らしたり、業務量を日本以外の先進諸国の水準にしたりするのは現実的ではないからです。お金もものすごくかかります。