「人がいればセーフ」は駐車監視員の場合

「放置車両」=前出の放置駐車違反の車両
「標章」=クルマのフロントガラスなどにぺたりと貼られる、あの黄色い駐禁ステッカーのこと。「確認標章」ともいう
警察庁交通局「駐車対策の現状」(令和5年11月)より

ばっちり違法駐車でも、「放置車両」でなければ、監視員は手を出せない。明らかに駐車違反のクルマを見つけても監視員が素通りするのは、そういうわけなのだ。

ステッカーを貼られる前に戻ればセーフ

監視員による取り締まりは、具体的には次のように行われる。

1、定められたルートを、原則2人1組で巡回する
2、違法駐車を見つけたら、車内を覗いたりして「放置車両」に当たるかを確認する
3、放置車両とわかったら、警察から貸与されたデジカメで証拠写真を撮り、貸与された携帯端末に必要な事項を入力する

※デジカメと携帯端末が一体型の場合もある

4、貸与された携帯プリンターで標章を印刷する
5、標章を放置車両に貼りつける

※この貼りつけ、道交法的には「取り付け」という

4まで進んでも、5の前に運転者がクルマへ戻れば、監視員の取り締まりは終了となり、印刷した標章を取り付けずに去る。運転者がいれば放置駐車ではなくなるからだ。

「違法駐車したクルマへ戻ったら、監視員がクルマの中を覗き込んでいた。出て行ったら違反切符を切られる、ヤバイと思い、隠れて見ていた」

こんな行動を取ってしまうのは最悪だ。すぐに出て行けば、放置車両でなくなり、監視員は去るのだ。監視員にはそもそも違反切符を切る権限がないのだから。