熱中症警戒アラートについて

では、どのくらいの気温・湿度の場合に注意が必要でしょうか。熱中症警戒アラートとも呼ばれる、熱中症警戒情報、熱中症特別警戒情報を指標にしましょう。これは、環境省が暑さ指数(WBGT)が高いと予測したときに出されます。

暑さ指数とは、人体の熱収支に影響の大きい気温、湿度、日射・輻射など周辺の熱環境の3つを取り入れた指標です。私たちの体は、気温が高いだけでは、体温が上がりすぎて熱中症になるということは少ないんです。逆に気温がそれほどではなくても、湿度が高かったり、周辺の熱環境が厳しい場合は警戒しなくてはなりません。

環境省の「熱中症予防情報サイト」の「環境省熱中症予防情報サイト 熱中症警戒アラート」の項目を開くと、各地の状況がわかります。子どもにスポーツや外遊びをさせるかどうか迷ったら、ぜひチェックしましょう。暑さ指数が25以上28未満だったら積極的に休息を取ります。28以上31未満だったら激しい運動は中止、31以上だったら運動は原則中止です。

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速やかに体を冷やすべき

では、子どもが熱中症を疑う状態になったら、どうすべきでしょうか。暑い日にたくさん汗をかいた後に頭を痛がったり、めまいや吐き気を訴えたりしたら熱中症かもしれません。子どもは体調不良全般を「痛い」とか「お腹が痛い」と表現することがあります。頭痛がしても手足の筋肉が痛くても「お腹が痛い」と訴えるかもしれないことを知っておいてください。

呼びかけに対する反応がいつもと同じなら、涼しい場所に寝かせて衣服を緩め、体を冷やします。クーラーのきいた室内で、氷枕や濡らしたタオルなどを体に当てたり、水シャワーで冷やしたり水風呂に入れたりしましょう。大きな血管がある頸部や脇の下、足の付根を冷やすとよいといわれますが、可能なら全身を冷やしてください。水風呂に入れることができるなら、そのほうが効果的です(※3)。前述のように子どもは体重の割に体表面積が大きいので、大人よりも早く効果が現れます。

一方、冷却シートは汗をかいていると貼り付きにくく、しかも面積が小さいので、急いで体温を下げたいときには氷枕や濡らしたタオルのほうがいいでしょう。

※3 NHK「熱中症になったら…『アイスバス』『アイスタオル』重症化を防ぐ対策を解説