誰もが何かの“スペシャリスト”になれる

「得意なこと」に注力する――「苦手」の克服は、不要

大多数の人が、すべてにおいて「平均点以上」であることを望んでいるのではないでしょうか。だから「苦手を克服したい」気持ちが強いのかもしれません。

もちろん一人前の社会人として生きていくには、平均点以上の学力・知識を有しているのが望ましい。とはいえそれが必要とされるのは中学校、せいぜい高校まででしょう。

そこから先は自分の得意をどんどん伸ばしていくことに注力したほうがいい。一方で、苦手は克服する必要がない。私はそう思います。

枡野俊明『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)

というのも、苦手なことで人並みの結果を出そうとすると、それを苦手としない人の何倍も努力しないと追いつけないからです。

数値化すると、「十の努力で、やっと七か八の結果が出る」といったところでしょうか。ならばもう苦手を克服するのはあきらめて、得意な人に任せたほうがいいでしょう。

その点、得意なことなら、「十の努力で、十二、十三の結果が出る」はず。苦手の克服に向けていた力をこちらに注力すれば、得意にどんどん磨きがかかるではありませんか。そこに気づけば、ジェネラリストからスペシャリストへの道が開けます。

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