歴史ある治療薬「メトホルミン」
ひょっとすると、いま話題の肥満治療薬の特許が切れ始める10~20年後には、肥満治療薬のジェネリック薬が世の中に行き渡り、メタボを脱却したスリムな高齢ビジネスパーソンが闊歩しているかもしれませんね。
とはいえ、肥満治療薬はまだまだ高額です。そこで私が個人的に注目している薬があります。糖尿病治療薬として長い歴史を持つ「メトホルミン」です。
メトホルミンは肝臓で糖の合成を抑える他、筋肉や脂肪組織での糖の取り込みを促し、小腸からの糖の吸収も減らします。日本では60年以上前から、また現在でも世界100カ国以上で使われている歴史のある薬ですが、近年の研究では体重減少効果だけでなく、膵臓を含む各種のがん抑制効果や、エイジングケアへの効果も期待されています。
ヘルスリテラシーが高く、自身の健康促進のため積極的に情報を集めている人であれば、「肥満症薬が世界的にブームになっている」ことや「メトホルミンには糖尿病治療以外の効果が明らかになりつつある」という情報にたどり着くことは難しくないでしょう。
もちろん、これら医薬品には利用にあたってさまざまな条件があり、副作用もないわけではありません。自己判断では服用せず、医師や薬剤師等、専門家の助言も参考にしていただきたいと思います。