万博の役割はとっくに終わっているのではないか
「万博は現在のみならず未来の住人に対して夢を与えるために開催されます。『夢洲/万博/IR』が、地元自治体トップである大阪府の吉村洋文知事の夢だとしたら、それは大阪の人たちに共有されているのでしょうか。未来の住人であるはずの子どもたちに、きちんと伝えられる夢なのだろうか。甚だ疑問です」
何一つ付け加えることはない。これぞ万博を即刻中止すべき最大の根拠を示す檄文である。
考えてみれば、五輪も万博も過去の遺物である。世界の強豪が集うスポーツの祭典なら、毎年、どこかの国で開催されている。万博も然りである。AIの凄まじい発展は、数カ月先も見通すことができない。世界万国博覧会の役割はもうとっくに終わっているのではないか。
時代遅れの遺物に国民の血税を湯水のごとく注ぎ込み、祭典が終わっても、その金がどこにどう使われたのか、詳細を公表しない東京五輪のようなやり方は、国民を愚弄しているといわれても仕方あるまい。
ましてや、万博の跡地にギャンブル依存症を多数作り出す賭博場をつくるなど、狂気の沙汰としか思えない。
思えば、万博アンバサダーに就任していたダウンタウンの松本人志が、女性たちへの性加害疑惑で降板した時点で、汚れた万博を中止するべきだったのではないか。過ちては改むるに憚ること勿れ。今こそ立ち止まって考える最後の機会であるはずだ。吉村知事が英断を下すのを心して待ちたい。