第3の利点として、掛け布団の奪い合いが起きない。
とくに寒い冬場は無意識に掛け布団を引き寄せてしまい、パートナーの身体が半分布団の外へ出てしまっているといったことも起きがちだ。深夜に寒気を覚えて眠りが中断したり、朝まで気づかずに風邪をひいたりしてはもったいない。それぞれの掛け布団があれば、こうした無意識の布団の奪い合いとも無縁だ。
このようにスカンジナビア睡眠法は、今ある1台のベッドを有効活用しながら、睡眠の質を高めてくれる。睡眠離婚のように新しい部屋とベッドを用意しなくても、シングルサイズの掛け布団を2枚用意するだけでよいため、比較的手軽に試しやすい。動きや寒さ・暑さによる中途覚醒を解消したい場合は、睡眠離婚よりも手軽に導入できるだろう。
良好な夫婦関係には、良質な睡眠が欠かせない
米カルチャーメディアのリファイネリー29は、コペンハーゲンで夫と10年以上も別々の掛け布団を使っているという女性の声を紹介している。この女性は、「自分だけの掛け布団で眠るのが大好きです!」と語る。布団を奪われて寒さで目覚めることがなくなり、睡眠の質が向上したという。女性は夫婦で別々の厚さの布団を使っており、体温調整もしやすくなったとメリットを実感しているようだ。
睡眠離婚もスカンジナビア睡眠法も、特別なテクニックは必要ない。試すと決めれば、あとは実行あるのみだ。最も大切なのは、パートナーにしっかりと説明することだろう。急に部屋や布団を分けたいと切り出せば、否定された気分になってしまうかもしれない。相手を大切に思っていることを時間をかけて伝え、そのうえで眠りについて悩みがあることを打ち明けるなど、パートナーの気持ちに配慮しながら相談すると理想的だ。
お互いに気持ちよくエネルギッシュな毎日を送るためにも、適切な睡眠環境は重要だ。状況に合わせ、睡眠離婚やスカンジナビア睡眠法の導入を検討したい。