性年齢での質的差
特定の傾向は、性・年齢でも差が生まれていた。
例えば「自分らしさにこだわる」人々。
20~50代女性も男女60歳以上も、「ブギウギ」「らんまん」より1割以上よく見ている。ただし、20~50代男性では、「ブギウギ」とは大差なく、「らんまん」よりは2割以上高い数字となった。
造り酒屋の跡取りとして生まれ育ちながら趣味の植物学にまい進した男の物語(「らんまん」)には、20~50代男性はあまり反応しなかった。自分とは境遇や姿勢が違い過ぎると感じたのだろう。しかし、音楽芸能の世界で新たな道を切り拓いた女と法の扉を開けようとした女の物語(「ブギウギ」)には、同じように興味を示した。逆に言えば、両ドラマでは差は大きくなかった。
「政治に興味あり」層でも状況は似ていた。
ところが「社会に興味あり」層では、男女60歳以上だけが明確に前2ドラマに大差をつけた。昭和から令和にかけての変化を目の当たりにして来た世代は、社会のシステムや仕組みを強く意識した物語に惹きつけられていることがわかる。
話題作となる予感
以上の層の各視聴率は、3週までに力強い動きを見せている。
そもそも個人全体は、1週から3週にかけて微減となった。
過去の朝ドラや夜の連ドラでもよくあるパターンだが、序盤をリアルタイムでチェックした後、見るのをやめてしまうか録画再生にする人が少なくないので、視聴率下落はよく起こる。とはいえ、同作は微減に留まっている点、物語に力がある証拠と言えそうだ。
注目すべきなのは20~50代女性だ。
第2週で下がりながらも第3週で持ち直す層がいくつかある点だ。「政治に興味あり」層は、2週で2割弱落としながら、3週で半分ほど戻した。「社会に興味あり」層も、1割落としても1割弱戻した。