60代の93%がスマートフォンを持つ時代

このような新しい方法での人々とのつながりを求めていく方向が、可能になっています。こうした方向を積極的に探ることによって、新しい可能性が広がります。地域コミュニティの集まりと言われても、人生の大部分を会社人間として過ごしてきた人には、馴染めない場合が多いでしょう。だから、地域コミュニティの集まりの他に、もっとさまざまな手段を探ることが求められます。

野口悠紀雄『83歳、いま何より勉強が楽しい』(サンマーク出版)

その際に重要なのはITの活用です。ITはシニア向けでないという認識は、もはや、古くなっています。実際、シニアのスマートフォン所有率の上昇傾向は続いています。NTTドコモの社会科学系の研究所であるモバイル社会研究所の調査によると、2023年における60代のスマートフォン所有率は、2022年から2ポイントあがり、93%に達しました。また、70代も22年より9ポイント増えて、79%となりました。

高齢者にとって、IT機器はごく普通の日常の道具になっているのです。この点について、われわれは認識を改める必要があります。

関連記事
「母は私が始末しなきゃ」中卒からひきこもったものの見事に復活自立した40代女性が絶叫して荒れ狂ったワケ
「ゴミ屋敷になる家」は玄関でわかる…老後のひとり暮らしが破綻する人に共通する「玄関のサイン」とは
あなたが死ねば「遺体ホテル」に泊まってから焼かれ、遺骨はトイレに捨てられる…孤独多死社会の現実
老親に下剤飲ませて介護施設へ送る…世話をする家族が「外でウンコして帰ってきて」と願う自宅介護のしんどさ
中2で「初めてのセックスはどんな状況か」を考えさせる…日本と全然違うカナダの性教育