打ち上げ機会を確保する堀江貴文の交渉力
北海道スペースポートは東側と南側が太平洋に開かれている。人工衛星は東側に打ち上げて赤道方向に周回するそれと、南北方向を縦に回るものがある。ここは両方の軌道に対応できる射場で、世界的に見ても非常に珍しい。
また、大樹町のある十勝エリアは晴天率が非常に高く、打ち上げに適した気候の場所でもある。そして十勝は広いから土地の拡張性もある。
同社によると、当面の間目指すのは月1回以上の打ち上げで、ZEROが量産体制に入れば年間にかなりの回数を打ち上げられるという。
打ち上げビジネスが軌道に乗るためにはロケット自体の開発、製造の品質が重要だ。だが、それだけでは足りない。射場も大切だ。製造工場から射場までの距離が短く、晴天の多い場所でなくてはならない。加えて漁業関係者との密な関係がいる。該当する海域に出漁している時は打ち上げができないからだ。
自ら体を張って宣伝マンになる理由
ロケットビジネスはロケット工学の知識だけではできない。優良な射場を確保し、公的機関や漁業関係者と交渉する力がいる。
果たして、ホリエモンとIST幹部は経営力、交渉力を持っているのだろうか。
――堀江さんの経営を見ていると、自らが宣伝マンとなっている印象です。そして、つねに何らかのイベントを行っています。いわば自分の体を100パーセント活用する経営です。これはライブドアの頃からやっていたことなのですか?
そうですね。自分が表に出て宣伝しているのは、最小コストで最大の効果をあげることができるから。
――誰か手本にするべき経営者はいたのですか?
いません。
――では、自分で編み出したのですか?
僕は目の前のことに一生懸命になるんですよ。昔から何か思いついたことは全部やる。とにかくやっちゃう。もうくだらないことから何から全部、行動してみる。
例えばライブドアのポータルサイトを作った時のことです。ポータルサイトの会員を増やすためにはヌードしかないと思った。ヒントは宮沢りえさんのヌード写真集でした。