牛肉、ベーコン、バター、ココナッツ、卵を食べよう

精製された炭水化物を減らし、その分を脂質が豊富な魚、オリーブ油、アボカド、ナッツ類に置き換えよう。

牛肉、豚肉、ベーコン、バター、クリーム、ココナッツなどに含まれる天然の飽和脂肪酸も、体にいい脂質だ。卵はすばらしい食品だし、ほとんどの海産物も同様だ。

写真=iStock.com/Ognjen18

ただし、すべての脂質が体にいいというわけではない。工場で加工され、高度に精製されたオメガ6系の種子油はお勧めできない。炎症反応を引き起こし、健康によくないからだ。ヒマワリ油、コーン油、菜種油(キャノーラ油)、紅花油(サフラワーオイル)、そのほかの植物油などがこれに含まれる。

特に、植物油を高温で使うと、有害な化学物質であるアルデヒドが出るので、高温では使わないほうがいい。

揚げ物は避け、硬化油(トランス脂肪酸)を摂らないようにしよう。

私が勧めるこの食事療法は、「低炭水化物・ヘルシー脂質ダイエット」(LCHF)と呼ばれている。これは血糖値を下げ、インスリン値を下げ、体脂肪を燃やすための食事療法だ。

実践するとどうなるかって? 体重が減り、糖尿病がよくなる。

加工されていない「リアルフード」を選ぼう

■原則その3――「リアルフード」を食べる

これまでも述べてきたように、脂質にもいいものと悪いものがある。炭水化物にもいいものと悪いものがある。その違いはどこにあるのだろうか。精製と加工だ。

人間の体は千年も前から、天然の食べ物に適応してきた。昔からの食生活を続けている北極圏の人たちは、生肉を食べる習慣がある。日本の沖縄の人たちは、高炭水化物の食生活をおくっている。だが、彼らが食べているのは、精製されたり加工されたりしていないものなので、砂糖はほとんど含まれていない。

どちらの地域でも、これまで高血糖、肥満、2型糖尿病などの問題は少ない。だが、伝統的な食事をしていた人たちが、高度に加工された食品や砂糖を摂るようになると、肥満や2型糖尿病がすぐに現れる。

木にパンは実らない。私たちが育てるのは植物油ではない。

最も大切なことは、リアルフードを食べるということだ。あなたが食べているものが、自然になっているものと同じであるならば、きっとそれは体にいい食べ物だろう。