子どもと読書をする時間をつくるのも一つの方法
【加藤】子どもに読書の習慣をつけさせるのは、ほんのひと手間だと思うのです。親自身が、子どもが学校や塾でどんな文章に触れているのかに興味を寄せて、その中でも子どもがちょっとでも食いついているものがあったら、「お母さんはこの続きを読んでみたいな。図書館で借りてこようかな」と働きかけてみたり。
親がそんなふうに働きかけられるのは、子どもが小学1年生に上がる前から小学6年生になるまでの、たかだか7年間ほどなのです。保護者の方もお忙しいとは思うのですが、「人生100年時代」のわずか7年くらいは、1日のうち5分でも10分でも子どもと一緒に読書をする時間をルーティンにされてはどうでしょうか。子どもが読書をしないと悩むよりはそのほうが手っ取り早いですし、子どもの成長後に振り返ってみれば、一緒に笑ったり、喜んだり、悲しんだりと、こんなかけがえのない親子の時間はなかったと思えるはずです。
・家庭の環境づくり(親が本を読む、読み聞かせをする、リビングに本棚を置く)
・子どもが学校や塾でどんな文章に触れているのかを知る
・子どもが特に興味を持った文章の出典を入手して、一緒に読んでみる
「文章を読むのが遅い」という悩み
【井上】灘校にも読むのが遅いと悩んでいる生徒はいます。ほかにも大人を含めて本を読むのが遅いと悩んでいる人が多いのか、巷では速読法のようなものもたくさん出回っていますね。
【加藤】そもそも、読むのが遅いことは問題なのでしょうか?