趣味の欄にただ何となく「読書」と書いてはいけない

“細部”を大切にするという点で、皆さんの意外に見落としているポイントが、履歴書や職務経歴書に必ずある「趣味」あるいは「打ち込んでいること」などの欄に書く内容です。

採用において「趣味」などほとんど関係なしという意識で、ただ何となく「読書」とか「音楽」「ジョギング」と書いている人がどれほど多いことか!

写真=iStock.com/Kriangsak Koopattanakij
ただ何となく「読書」と書いてはいけない(※写真はイメージです)

こうした欄は書類の後半に設けられていることもあり、ほとんどの人が軽視しているのを見るたび、私などは「ああ、もったいない」と感じるのです。

人間は自分と似た部分や共通点がある相手に対し、興味を持つという傾向があります。これを心理学では「類似性の法則」といい、自分のことをできるだけ知ってもらうのが、親近感を高めるのに有効ということは研究によって実証済み。

であれば、そのメリットを活用しない手はありません。

面接官が興味を持ってくれた

私の場合、新卒採用の折の書類では「趣味」の欄にしばしば、フルマラソン(42.195km)のことを書きました。

それも、ただ「マラソン」と記すのではなく、いつから始め、どんな大会に出場し、記録はどれくらいか、をできるだけ詳しく書いたのです。

すると、ある企業の面接の際、同じくマラソンを趣味にされているらしい面接官の方が「君、自己ベスト2時間50分6秒とはすごいね」といきなり声をかけてくださって……その好意的な反応に気持ちもリラックスでき、後の流れもスムーズに、めでたく内定へ繋がった“成功体験”があります。

もちろん、マラソンのことを書いたからといって、相手がその記述に注目し、親近感を抱いてくれるかは運次第です。

でも、そこを適当に書いたのでは、そもそも注目される可能性はゼロ。ならば、少しでもアピールの可能性のある点はおろそかにすべきではないでしょう。

実際、趣味の欄を書かずに(あるいは適当に書いて)いると面接官からは「好奇心の欠如」と見なされますし、しっかり書くことで「人間性が豊か」と評価されるのは間違いありません。