学歴や肩書が平凡でも“転職に強い人”は何が違うのか。業務改善コンサルティングを行う岡田充弘さんは「私はクライアント企業が採用を行う際に書類選考の第三者評価を依頼されることがあります。最近ではエージェントが気の利いたフォーマットを用意するのでどれも見栄えはいいのですが、NG判定せざるを得ない人とそうでない人とでは書いている中身が全く違います」という――。
採用面接
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転職市場が熱い

コロナ禍で多くの人の身辺に動きがありました。私のまわりでも経営者の退任やビジネスパーソンの転職が相次ぎました。

転職エージェント大手のリクルートエージェントの2022年度上半期 中途採用動向調査によると、実に81.0%の企業が中途採用計画に対して未充足と感じているようで、飲食店や小売店など業種によっては一時期休業せざるを得なかった状況がまるで夢だったかと思うくらい急激な人不足に陥っています。

実際に転職市場は再び活況な様相を見せ始めているのですが、転職者は一体なぜ今このタイミングで動き出したのでしょうか。おそらくコロナの影響で業界や会社に不安を感じてしまった人もいるでしょうし、コロナに関係なく元から会社や仕事に不満を持っていた人、コロナ禍に突入する前から次の転職機会を探っていた人など、理由は人それぞれといったところでしょう。

私の印象では、コロナが直接の原因というよりも、それはあくまできっかけに過ぎず、問題は元々存在していて、コロナがその出現を早めてしまっただけのような気がします。

外資系コンサルに「ピカピカの肩書無し」で入ってくる人々

転職を試みようとする人の中には、当然ながら転職がうまくいく人、うまくいかない人が出てきます。その差は一体どこからくるものなのでしょうか。

見栄えのする学歴や職歴、資格などのいわゆる肩書があれば、転職に有利に働くに違いないと思う人もいるでしょう。業界や業種で例外はありますが、一般的に肩書に頼れる転職は20代まで、それも2回までと考えておいた方が無難です。

ちなみに私自身の転職活動は2回、サラリーマン最後の会社はマーサージャパンという組織人事の戦略コンサルティング会社に勤務していたため、世の中の人の動きに関する情報は比較的入ってきやすい環境にいました。また自社が外資コンサルという流動性の高い業界に位置していたため、転職して入ってくる人も、転職して去っていく人も、実際にたくさん見てきました。

転職を成功させた方の中には、もちろん学歴や資格などの肩書がピカピカの人もいるのですが、そうでない方も多数おられました。むしろ中途入社では後者の方が多かったくらいです。

例えば、学歴で言えば偏差値ランキング中位の地方のマイナー大学や専門学校の方はザラにいます。

資格で言えば、事務職ではTOEIC500(受験者の上位約66.9%)以下、簿記3級(合格率50%前後)以下、IT職ではITパスポート(合格率50%前後)があれば珍しがられるくらいです。

前職の規模感で言えば、大企業や有名企業に転職を成功させた方のうち、中小ソフトハウスやスタートアップから転身した人を多数見てきました。

今回の記事では、そういった肩書に頼らずとも書類審査を全通過してしまうような人が、他の人たちと一体何が違うのか、その謎に迫ってみたいと思います。