陽気でいられ、メンタルを強くする食事の中身
では、地中海式の食事ではなく、和食はどうなのでしょう。
実をいうと、和食も捨てたものではありません。
和食では、味噌、醤油、納豆などの発酵食品がたくさんありますが、ハーバード・メディカル・スクールのエヴァ・セルハブによると、発酵食品は、身体の健康だけでなく、なんとメンタルにも好ましい効果をもたらしてくれるというではありませんか。
昔ながらの和食を食べるようにして、なるべくファストフードを食べないようにしていれば、心も健康でいられるといってよいでしょう。
私は栄養学者ではありませんが、どんなものが心の健康によく効くのかは知っています。
じつは、うつ病を予防・軽減してくれるありがたい栄養素があります。オランダにあるアムステルダム大学のロエル・モッキングは、「オメガ3脂肪酸」であるEPA(エイコサペンタエン酸)と、DHA(ドコサヘキサエン酸)などのサプリメントを摂取すると、うつ病になりにくくなるという研究結果を報告しています。
したがって、うつ病になりたくないのなら、オメガ3脂肪酸をたくさん摂取すればいいわけです。
オメガ3脂肪酸のEPAやDHAは、魚介類に豊富に含まれている成分。だから魚を食べるように意識していれば、そんなに気分が落ち込んだりしなくなるのです。
「魚があまり好きではない」という人もいるでしょうが、自分のメンタルを強くするためにもたくさん食べましょう。
ストレスを感じにくい体質になりたいのなら、食べ物の好き嫌いを言っている場合ではありません。
先ほど「地中海式の食事がよい」というお話をしましたが、地中海式の食事では、肉ではなく、魚を中心としています。魚をたくさん食べているから、うつを感じにくくなり、陽気でいられるのかもしれませんね。
ストレスを感じやすいのは食生活の欧米化も一因か
魚に含まれるEPAやDHAは、血管を柔らかくし、血液をサラサラにする効果もあります。つまり、動脈硬化や心臓病のリスクまで減らせるので、メンタルだけでなく身体にもいいのです。
生の魚は傷みやすかったりしますので、おすすめはサバの缶詰をたくさん買っておくこと。缶詰なら日持ちしますから、毎日買い物に行く手間も省けます。
考えてみると、日本は海に囲まれた島国なので、日本人は昔から肉よりも魚をよく食べていました。昔の日本人は、肉よりも魚をよく食べていたからこそ、元気でいられたのかもしれません。
食生活が欧米化されるにつれて、最近の日本人は魚よりも肉を食べる人のほうが圧倒的に多くなり、それによってストレスを感じやすい人も増えたのではないかと推論できます。
魚を食べるのではなく、もっとお手軽にEPAやDHAを摂りたいなら、サプリメントでもよいかもしれません。市販のサプリメントでEPAを毎日摂取するようにすれば、あまりストレスを感じなくなりますよ。