頭の中で反芻させず水に流してしまおう

たとえひどいことをされても、すぐに気分を切り替えましょう。

「起きたことは仕方がない」
「そんなこともある」
「だれだって、同じような経験をしている」
「今回は運が悪すぎた」

このように頭の中で考えれば、水に流すのもそんなに難しくありません。

いつまでもしつこく頭の中で反芻するのをやめましょう。頭の中で反芻し続けるから、いつまでもストレス反応がつづくのです。

物事に執着するのは、よい場合もありますが、ことメンタルの健康という観点からすると、あまりよいことではありません。

さっぱりしていて、過ぎたことにはあまり執着しない人のほうがストレスを感じずにすみます。

嫌いな人に対してはすべてが気に入らないと感じてしまう

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉があります。お坊さんが嫌いな人は、お坊さんが着ている袈裟まで憎たらしく見えてしまう、ということです。

私たちは、気に入らない人のことを実際以上に嫌う傾向があります。嫌いな人に対しては、その話し方、食事の仕方、その人のつけている香水、その人の乗っている自動車など、すべてが気に入らなく見えるものです。

けれども、そんなふうに考えていたら、余計にストレスが募ってしまいます。

先ほど、「ひどいことをされても、水に流したほうがいい」というアドバイスをしましたが、嫌いな人のこともできるだけ大目に見てあげるようにするのがポイントです。

アメリカにあるヴァンダービルト大学のアレクサンドラ・ベティスは、9歳から15歳の70名に、家庭内でのストレスを減らす方法を教えました。

お母さんやお父さんに心無いことを言われたとしても、「お母さんは“いつだって”文句ばっかりだ」と考えるのではなく、今日は「“たまたま”虫の居所が悪いだけ」というような考えをしたほうがいいですよ、と子どもたちに教えたのですね。

すると、こういうトレーニングを受けることで、ストレスを大幅に減らせることがわかりました。

考え方をほんのちょっぴり変えるだけでも、ストレスはかなりの程度まで解消できるのです。