「自分なりのセリフ」でストレスフリーに断る
トレーニングは1回40分から60分で、8回のセッションで行われました。
そして1年後に、子どもたちがどれくらい非行に走るか、ドラッグに手を出すかなどを測定してみたところ、拒絶のトレーニングを受けた子どもたちほど上手に断ることができ、非行やドラッグに手を染めずにすませられることがわかりました。
うまく断れない人は、断りのセリフをあらかじめ考えておかないのが悪いのです。
「ええと、どうしようかな、NOと言っても大丈夫なのかな……」などとその場その場で判断しようとするから、断れないのです。
自分がイヤなことをさらりと拒絶できる人は、頭の中に拒絶のセリフやシナリオがしっかりと入っていて、ただそれを口に出すだけなのです。
人は、あらかじめ覚えていたセリフなら、うまく言えるものです。
読者のみなさんは、コンビニやスーパーのレジで会計をする際に店員さんから「袋をお付けしますか?」と聞かれて、まごついたりしますか。
たぶん、しませんよね。瞬時に「いえ、けっこうです」と断ることができるのではないかと思います。
なぜうまく断れるのかというと、あらかじめ「袋はいらないので断る」ということが自分の中で決まっているからです。
ですから、「こういうケースでは、こんなふうに断ろう」ということをあらかじめ決めておき、自分なりのセリフを考えておくと、コンビニの袋を断るときと同じくらいストレスを感じずに拒絶することができます。