本番で誰がどんな風に動いているかまでイメージする

本番で緊張しても、練習通りに話せるようになりたいのなら、スラスラ噛まずに読もうとするのではなく、本番に近い状態で練習をしてください。

「本番ではきっとこのくらいだろうな……」とイメージしながら、その通りのスピード、間、抑揚で台本を声に出して読んでいくのです。

例えば、台本にこう書いてあったとします。

「当てはまる方は、手を挙げて教えてください。ありがとうございます」

このセリフを、本番をイメージしながら練習してみましょう。

あなたは立って話していて、目の前には10名ほどの社員がコの字に座って聞いています。そして、あなたから全員に尋ねます。

「当てはまる方は、手を挙げて教えてください」

約半分の人が手を挙げてくれました。それを確認したあなたは、手を挙げてくれた人に向けてこう伝えます。

「ありがとうございます」

このように、自分や周りの人の様子をイメージしながら、台本に書いてある言葉を声に出して読むのが、正しい読み練のやり方です。

リアルにイメージすればするほど、頭の中には動きも思い浮かぶはずです。

何人くらいが手を挙げてくれるか、どんな風に手を挙げてくれるか、それを確認する自分の様子はどんな風か……。

このように、誰がどんな風に動いているかまでイメージできると、本番に近い状態の練習になります。

「当てはまる方は手を挙げて教えてくださいありがとうございます」

とただスラスラ読むのではなく、

「当てはまる方は、手を挙げて教えてください。……(確認する間)ありがとうございます」

このように読み練ができていれば、本番で緊張しても練習の成果を発揮できます。

緊張しいな人であれば必ずと言っていいほど「噛まずに読む練習」をすると思います。

そこに、本番の様子をイメージすることもプラスしてみてください。

練習の精度がグッと高まりますよ!

写真=iStock.com/kasto80
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人前で話すときは、99.999%何かしらのイレギュラーが起こる

「人生は思った通りになる」と言われることもあれば「人生は予想外の連続だ」と言われることもあります。

この2つは矛盾していますが、どちらも正解だと思います。

人前で話すときは、99.999%何かしらのイレギュラーが起こります。

どれほど念入りに準備をしても、その通りに進むことなどほぼありえません。

なぜなら、外的要因が関係するからです。

聞き手から思わぬ質問をされたり、予定していた人が来なかったり、逆に、予定していなかった人まで来ることもあります。他人が何を考えどう動くかは、フタを開けてみないとわかりません。他にも、電車が遅れる、プロジェクターが故障する、パワーポイントを操作するためのリモコンの電池が切れるなどなど……。

別の場所での出来事はコントロールできませんし、物の劣化に気づけないことも多々あります。

あなた以外の外的要因から起こるイレギュラーは、予想すること自体難しいものです。

しかし、あなた自身が起こしそうなイレギュラーはどうでしょう?

緊張することは、絶対に予想できますよね。

もっと具体的にイメージを膨らませてみましょう。

そのイメージの中で、あなたはどんな状態になっていますか?