部下の行動を要素に分解してみる
私は、その管理職の方に、「諦めが早いのはどうかと思いますが、わからないまま業務を進めるのとどちらが良いですか?」と聞いたところ、「確かにそうだね。早めに相談してわからないことを解決しようとする点はいいところかも」という答えが返ってきました。
そこで私は、「その点はほめてあげてください」「一方で、質問をする際には、自分でも調べてみて欲しい旨は伝えてみましょう」とお伝えしました。
他の事例では、「指示されたことしかやらず、積極性が足りない」という上司には「指示されたことを着実に遂行する姿勢自体は否定すべきことではないですよね?」と聞いたところ「その通り」という回答がありました。
であれば、その点はほめて、「今後は、指示されたこと以外も自分で考えて提案して欲しい」と伝えていけば、指示を遂行する姿勢は崩さずに積極性が増えていく可能性があります。全体像として部下をダメと決めつけるのではなく、行動を要素に分解して良い行動を見ようとすれば、それまでは欠点だと思っていた行動のなかにも、ほめるべきポイントが見えてくるはずです。
「ほめるところがない」のは、「こいつはダメだ」と決めつけている上司のスタンスやバイアス(偏見)の問題であることが多いです。