「多神教」と見せかけて「一神教」タイプ

近年、社会のグローバル化に伴い、多様性を受け入れたり、個性を大事にしたりするような教育をZ世代は受けてきています。

しかし、性格診断を通じて彼らの深層心理を分析してみると、Z世代は、多様化が進んでいるようで、その実、本音はそうでもないのです。意外とインフルエンサーに影響され、皆が同じ行動をとっていたりします。

たとえば、みんなで同じ「映えスポット」に行き、同じアングルで写真を撮っているというようなパターンです。

多様性があるようでいて、実はない。「多神教」と見せかけて、「一神教」を信じている。それがZ世代なのです。

情報を発信するより「ただ見ているだけ」

SNSも、TikTok、Instagram、YouTubeと、表現方法がいろいろあり、スマホがあれば誰でも発信することができるのに、ほとんどの人が情報を発信することはなく、ただ見ているだけです。

木原誠太郎『「人間関係」は性格と相性が9割』(プレジデント社)

しかも無数にいる発信者の中から、結局フォローするのは自分が好きな、決まった分野でインフルエンサーと呼ばれる人。

世の中の動きに対して幅広く情報を取りに行くのではなく、自分の好きなことだけを掘り下げたい、つまり何か1つのテーマに対する執着がすごく強い。それがZ世代の特徴です。

なぜ、こういうことが起こるのでしょうか。じつは、人間は選択肢が多いほどかえって選択ができなくなる傾向があるからです。多くの人は、何かに対して15個ほど選択肢を与えられても、実際に選んだり、実行したりできるのはそのうちの3個程度になるといわれています。

たとえば、国内旅行先を決めるとします。「どこに旅行に行きたい? 日本全国、どこにしてもいいよ」と言っても、結局のところは、メジャーな京都か沖縄か北海道になってしまうのです。