肉食だがガツガツ来られるのは苦手

Z世代は、恋愛に関しても、世間では「草食」だといわれています。しかし、実際には、餃子やロールキャベツのように皮に包まれているだけで、中身はガッツリお肉が入っているものを好む「肉食」派です。

ただ、バブル時代のようにグイグイと目の前に肉を出されるようなノリは嫌なのです。「ステーキを食え」ではなく、パイ包みの中に肉がぎっしり詰まっているような料理が好きなのです。

私がZ世代、とくに「ライン型II」「ライン型III」のタイプに対してコミュニケーションをするときに心がけているのは、ボクシングでたとえるなら「ヒット&アウェイ」、つまり、打ったらすぐ後退するという手法です。

最初からグイグイと話すのではなく、まずはオブラートに包んで話してみたり、言いたいことを小出しにしてみたりして、大丈夫そうだったら続きを話すようにしています。

こちらが頑張っている姿、青臭い青春している姿を見せながら、ちょいちょい打って引いて、また打って引いてを繰り返していきます。ボクシングでのラッシュのように、いきなり猛攻撃をかけるようなことは厳禁です。

屋上でスマートフォンを使用する男女の若者
写真=iStock.com/Urbanscape
※写真はイメージです

論理性を高くし、結論から先に話す

その一方で、Z世代とコミュニケーションを取る場合は、ズバッとひと言で結論を述べ、しかも体言止めや倒置法を使って言いたいことを伝えると彼らに響きます。

たとえば「おまえ、絶対やめたほうがいいよ、会社」と断定でバッと言い、そこで相手が「やっぱりそう思う?」と食いついてきたら、「そうだよ、絶対」と強く言い、「なぜなら」と論理的に理由を述べていきます。

しかし、相手が「そうかなあ」と言うようであれば、こっちはスッと引くようにします。

重要なのは、こちら側からZ世代に対してあまり言い過ぎないこと。伝える場合は、短い言葉でひと言ズバッと伝えることです。そのほうが、相手の心に残ります。

この抑揚の塩梅は、まさにアウトボクシングさながらです。

これは、Z世代が穏やかな水面の下で、いつもモヤモヤを抱えているため、誰かに断言してもらうことで自分を委ねることができ、ラクに生きることができるからなのです。

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