こころに届く「褒め方」のコツ

では、いったいどんなふうに褒めたらいいのでしょうか。

とりあえずでも、「がんばったね」「すごいね」「えらいね」と褒めれば、こどもはいい気分になりますが、この褒め方は欲求のエスカレート現象をまねきます。

なぜなら、こどもは何を褒められているかが、わからないからです。

具体的にどの部分が褒めどころだったのかを、しっかり大人が伝えてあげる必要があります。

その伝え方のポイントは、そのときの〈感情〉と結びつけながら褒めること。

「片づけが上手ね。すっきりして気持ちがいいね」「○○ちゃん、自分の意見が最近言えるようになってきてうれしいね、えらいね」という具合です。

実は、愛着の問題を抱えるこどもの多くは、褒められたらどんな気持ちになればいいかがわかりません。

解釈をこどもに任せてしまうと、「親が喜ぶことをしたから褒められたんだ」「親に気に入られればいいんだ」などと勘違いしてしまうのです。

大人がいくら絆を意識しながら褒めても、これでは本末転倒。愛着の問題が進行してしまいます。

褒めるときの意識が大切

褒めるときには必ず、「何を」褒めていて、それに伴う「どんな気持ち」が素敵だったのかを伝えてあげます。こうしたやりとりのなかで、こどもは自分の感情を学んでいくことができます。

米澤好史『発達障害? グレーゾーン? こどもへの接し方に悩んだら読む本』(フォレスト出版)

「褒めた結果、その子にどんな気持ちになってもらいたいのか」
「どんな気持ちを感じる子になってほしいのか」

いちばん重要なのは、褒めるときのこうした意識です。

意識的な意味づけがあるのなら、周囲からは甘やかしているように見えたってかまいません。

反対に、ただ機嫌がよくなるからと甘やかしていれば、こどもの成長にも、愛着の修復にもつながらないのです。

本書にはこのほか「困ったを増やす4つの接し方」を紹介しています。ぜひ一読ください。

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