こころに届く「褒め方」のコツ
では、いったいどんなふうに褒めたらいいのでしょうか。
とりあえずでも、「がんばったね」「すごいね」「えらいね」と褒めれば、こどもはいい気分になりますが、この褒め方は欲求のエスカレート現象をまねきます。
なぜなら、こどもは何を褒められているかが、わからないからです。
具体的にどの部分が褒めどころだったのかを、しっかり大人が伝えてあげる必要があります。
その伝え方のポイントは、そのときの〈感情〉と結びつけながら褒めること。
「片づけが上手ね。すっきりして気持ちがいいね」「○○ちゃん、自分の意見が最近言えるようになってきてうれしいね、えらいね」という具合です。
実は、愛着の問題を抱えるこどもの多くは、褒められたらどんな気持ちになればいいかがわかりません。
解釈をこどもに任せてしまうと、「親が喜ぶことをしたから褒められたんだ」「親に気に入られればいいんだ」などと勘違いしてしまうのです。
大人がいくら絆を意識しながら褒めても、これでは本末転倒。愛着の問題が進行してしまいます。
褒めるときの意識が大切
褒めるときには必ず、「何を」褒めていて、それに伴う「どんな気持ち」が素敵だったのかを伝えてあげます。こうしたやりとりのなかで、こどもは自分の感情を学んでいくことができます。
「褒めた結果、その子にどんな気持ちになってもらいたいのか」
「どんな気持ちを感じる子になってほしいのか」
いちばん重要なのは、褒めるときのこうした意識です。
意識的な意味づけがあるのなら、周囲からは甘やかしているように見えたってかまいません。
反対に、ただ機嫌がよくなるからと甘やかしていれば、こどもの成長にも、愛着の修復にもつながらないのです。
本書にはこのほか「困ったを増やす4つの接し方」を紹介しています。ぜひ一読ください。