「なぜ叱ってしまうのか」を知っておく

あなたが最近こどもを叱ったのは、どんなときだったでしょうか?

叱りたくないのに、つい叱ってしまう――そんなときのあなた自身の感情にも、意識的になっておくことが大切です。

思い出してみると、たいていは余裕がないときではないでしょうか。

急いでいて時間がなかったり、周囲の目が気になって恥ずかしかったり、親としてちゃんとしなきゃと焦っていたりと、あなた自身に余裕がないときに、こどもを叱っている可能性があります。

けれども、この“とりあえず叱る”はこどもを混乱させるだけで、事態の収拾にはつながりません。

目の前のこどもの行動を叱りそうになったときには、まず「なぜ、その行動が問題だと感じるんだろう」と自分の感情にフォーカスしてみてください。

そこで自分の気持ちに気づければ、こどもへの伝え方も変わってくるからです。

現場の文脈と、こどもの気持ちを把握する

愛着の絆がきちんと結べているこどもは、叱られてもダメージを受けません。

安心基地や安全基地があって守られていますから、指摘されたよくない部分を認めても、ネガティブな気持ちにならないからです。

叱られた行為を修正して報告すれば、また認めてもらえるとわかっているので、行動を正す意欲もわいてきます。

でも愛着の問題を抱えているこどもたちは、自分の感情がわかりませんから、叱られても混乱するだけです。

そして、ほとんどの場合、何を叱られているのか理解できていません。

もし、あなたに余裕があって、「この子はきっとこんな気持ちで○○してしまったのだな」とこどもの感情を察知できたなら、それを言葉にして伝えてあげてください。

叱ってしまう前に、気持ちの確認作業を差し込んでほしいのです。

そうすることで、こどもは自分の感情に気づき、学ぶことができます。

そして、それが安心・安全の絆が育まれていくことにもつながっていくのです。