大原則5:「聞いてもらえただけ」でOKとする
いきなり「本当にわかってもらう」を求めない
これも重要です。例えば、2人はこれからも東京で交際を続けるつもりでいた……という恋人同士がいたとします。
しかし突然、一方の親の都合で、例えば男性の側が、地方の実家に戻って家業を手伝わなくてはならなくなったとしましょう。そんな事情を聞かされた女性は、「遠距離恋愛はうまくいくだろうか」と心配になるでしょう。
「いっそ、私も彼の地元について行こうか。すると、結婚が近づくかもしれない」
「でも私の仕事はどうなる? 苦労して資格をとってやっと就職できたのに。彼の地元でこんな仕事、なかなかないよなあ」
「でもでも、こんなに相性のいい人、たぶん、もう一生、めぐりあえないよね……」
こんなことがぐるぐると頭の中を駆けめぐるでしょう。
つきあっている男性から「実家に戻る」という大切な話をいきなり切り出されて、「じゃあ、私はこうする!」と即決できるかというと、それは無理というものです。
この場合、男性からすれば、まずは彼女に話を聞いてもらって、「そっか、わかった……」、それだけ言ってもらえたら十分なのです。
やむにやまれず帰らなければならない事情や、決断するまでに迷いに迷った経緯などを「本当にわかってもらう」ことを求めないようにしましょう。
自分にとって大切なことを、こころを込めて話したのですから、相手の反応が気になるのは自然なことです。「どう思ったかな?」。そう問い返したくなるのも、わかります。
しかし、大切な話であればあるほど、相手は理解するのに時間がかかります。
「そっか、わかった」
これ以上の返事は求めない。ましてや、「本当にわかってるの!」などと相手を責めたりしないことも大切です。「本当にわかる」のは、一度では無理。何度も話を聞きながら、じっくり時間をかけて理解する必要があるのです。
大原則6:「言わなくてもわかってほしい」は無理
これは、ここまで書いてきた大原則の、その元となる大原則……というよりも大前提です。
なぜか世の中には、「言わなくてもわかってよ」と、本気で思う人がいます。
「もう何十年も夫婦をやってるんだから」とか「家族なんだから」「つきあっているんだから」「これくらいのこと、言わなくてもわかってほしい」と思っているのです。……しかし、「言わなくてもわかる」は原則、あり得ません。もし、そうなったとしても、「たまたま奇跡が起きた」くらいに思ってください。
「一緒に生活している夫婦だからこそ、言葉にしないと伝わらない」。これが真実です。
なぜか?
人は、自分のことで精いっぱいだからです。ましてや日々、ともに生活をしているならば、相手のことはごくごく自然な存在。相手の思いに気持ちを寄せるのは「必要だと判断したときだけ」です。