「ビブス」の本義は「赤ちゃんのよだれかけ」

ローマ人にとって、ゲルマン人とビールは得体のしれない存在だったようだ。

「ビール」は英語で、beer(ビア)、ドイツ語で、Bier(ビーア)で共にゲルマン語に由来するが、ラテン語で「飲み物」のbiberや「飲む」のbibereからの借用だと思われる。

水以外の「飲み物」のbeverageやスポーツ選手が識別のために胸に当てる数字や色のついた「ビブス」のbibも同語源だ。

なお、「ビブス」の本義は「赤ちゃんのよだれかけ」のことだ。

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「ビブス」の本義は「赤ちゃんのよだれかけ」(※写真はイメージです)

出所によりデータは異なるが、統計情報リサーチのデータによると、男性の平均身長で180cmを超えている国は全世界で18カ国あるが、ドミニカ共和国以外は全てヨーロッパの国々である。

このうち、ゲルマン系の国は、オランダの183.8cmをトップに、デンマーク、アイスランド、スウェーデン、ノルウェー、ドイツと続いている。

「stand」も「station」も語源は同じ

「身長」はhigh(高い)の名詞形のheightで表すが、改まった場面ではstatureが使われる。

清水建二『英語は「語源×世界史」を知ると面白い』(青春出版社)

語源は印欧祖語で「立つ」や「据える」を表すstaにさかのぼる。

基本単語でいえば、stand(立つ)、stay(滞在する)、stage(舞台、段階)、station(駅、局)、status(地位)、state(国家、州)、rest(休憩)、post(柱、地位、ポスト)などがある。

その他、distant(遠い)、constant(安定した)、instant(即座の)、assist(援助する)、consist(構成する)、exist(存在する)、resist(抵抗する)なども同語源である。

なお、北欧のフィンランドもトップ18カ国に含まれるが、彼らの祖先は現在のロシア西部のウラル山脈を流れるボルガ川流域から来た人たちで、フィンランド語もインド・ヨーロッパ語族とは異なるウラル語族に属する言語である。