その仕事は「サステナブル」なのか?

高級食材を扱い、価格を高くし、利益率を高めることで、そこに変化を起こせるのではないか。

浜田寿人『ウルトラ・ニッチ』(ダイヤモンド社)

安くて大量に出さないといけないものは、これから機械化もされていくでしょう。人がやらなくてもいい仕事になっていく可能性があるということです。

そして労働環境も変えられる。長時間労働も減らすことができる。これもまた、高級食材を扱い、価格を高くし、利益率を高めることで解決できる。

安くていいものを出すことは、消費者にはうれしいかもしれない。

しかし、みんながハッピーに仕事をして、満足のいく収入を得て、サステナブルに事業を営むことが難しいのであれば、それは目指すべきことなのかどうか。

需要を掘り起こして、新たなマーケットを作れ

コロナ禍がやってきて、薄利多売でやってきた会社は、本当に厳しい状況になっています。もともと僕はそもそも数百円でラーメンが食べられること自体、おかしいことだと思っていました。労働力換算で考えても、ありえないのです。

この先は2000円のラーメンが当たり前のように出てくると思っています。今は1000円の壁と言われているようですが、1000円でも安すぎる。世界に出れば、一風堂のラーメンを2杯食べて、ちょっと何か追加すれば、ロンドンでも7500円くらいになります。

日本の食も、デフレ傾向から、世界的な都市の価格に近づく転機になると思っています。そうでなければ、本当にやっていけないから。

ハイエンドな価格帯ながら、WAGYUMAFIAが成功できたのは、外国人をターゲットにしたことです。しかし、それ以上に重要なことは、僕たちは最高級和牛専門店や和牛カツサンド、1万円のラーメンなど、従来は存在しなかった需要を掘り起こして、新たなマーケットを作ったことです。