人気のある個人向け社債は、すぐに売り切れるので、こまめな情報チェックも欠かせない。しかし、発行情報は「日経ヴェリタス」など限られたメディアにしか掲載されない。前出の証券会社に口座を開設し、社債の発行情報を教えてくれるよう頼んでおくのがよさそうだ。

社債には、海外の企業が日本国内で円建てで発行する円建て外債(サムライ債)もある。為替リスクがないうえ、10万円など小口から購入できるものもあり、ネット証券でも購入できるものもある手軽さも手伝って、こちらも人気を集めている。

通常の債券は市場で売買できるが、個人向け社債は流動性が低いことから、中途解約する場合には、購入先の証券会社に買い取ってもらうことになる。買い取り価格は、証券会社が提示する金額になるが、その価格が妥当かどうかは、個人投資家にはわかりにくい。そう考えれば、当面使う予定のない資金で購入し、満期まで保有するのがいいだろう。

また、一般的に社債の利回りは、信用度が高いほど低く、信用度が低いほど高くなる。信用度は格付けが参考になるが、格上げや格下げは、財務や業績の変化より遅くなりがち。その点、株価は変化を敏感に反映するので、株価が下がり続けるような場合には、気をつけたい。

万が一、発行企業が倒産した場合も、債権や債務を整理したうえで残余財産が額面金額に応じて返還される。株式と違って紙くずになることはないが、大幅に減額される恐れはある。

初めて買うなら、例えば設備投資のための負債を抱えていて信用度は低いものの、確実に日銭が稼げて倒産リスクが低い鉄道会社など、社会インフラ関連の会社などがいいのではないだろうか。

(構成=大山弘子)
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