公立トップに輝く二中は膳所、岡崎など8校

表に掲げた順位は都道府県内公立高校のなかでの難関大学合格者の順位である。ただし、前回の旧一中についての記事では、東京大学・京都大学の合格者の合計でランク付けしたが、本記事の対象校では、そもそも両大学の合格者がほとんどいない場合も多いので、地方によって調査対象の大学を変えている。

旧二中のなかでも、その都道府県の公立校ナンバーワンとなっている高校が7校ある。仙台第二、土浦第一、高崎、長野(事情が複雑なので都道府県別の解説参照)、岡崎、四日市、膳所、神戸だ。膳所と神戸は、一中が彦根と姫路という県庁所在地でない城下町につくられたので、県庁所在地のトップ高校として結果を出している。

四日市は津より人口が多いし、岡崎は名古屋市内が群雄割拠なのに対して三河地域で群を抜いた存在だ。仙台第二は、仙台市内のインテリ層が多いとされる高級住宅街を通学区域に含んでいるのが決め手だ。土浦第一は筑波研究学園都市に近く、人口が増えている茨城県南にある。高崎も東京からのアクセスが良い地域だ。このほか、公立トップ校とほぼ互角なのが、八戸だ。

県庁所在地一極集中を解消する一手に

こうして見てみると、都道府県庁所在都市への人口集中と通学区域の全県化もあって、旧二中は全般的に苦戦している。

それに加えて、旧一中をはじめとする進学校が県庁所在地に集中していることが、県内のそのほかの地域が衰退する原因になっていたりもする。進学校の通学区域であるかどうかで、不動産価格や賃料にかなりの差があるほど、進学校の存在はどこに住みたいかに影響するのだ。

そうでなくとも、県下ナンバー2都市へのテコ入れは全国的な課題だが、逆に高校へのテコ入れを通じて、ナンバー2都市を浮上させるという考え方もあるのではないかと思うほどだ。

そんななかで、最近増えている公立中高一貫校は、旧一中は千葉高校くらいにしか設けられず、旧二中に設けられているケースも多い。しかし、旧二中所在都市のほかの高校に設けられている場合もあり、そういう場合には、旧二中の地盤沈下がますます進む可能性がある。

千葉県立千葉中学校・高等学校(写真=Industrial spy/Copyrighted free use/Wikimedia Commons

それでは、都道府県別の紹介に移ろう(以下、旧二中を②、旧三中を③と表記)。