相手に安心感を与える3つのステップ
そのような状況に有用な3つの反応ステップがありますので順に説明していきます。
ステップ1.受け止め
「こんなに遅くまで疲れちゃうよね」「よく頑張ってるね」「確かにこれは大変だよね」と、率直に相手の状況に共感します。
ステップ2.状況把握
「今、どんな状況なの?」「画面を見せて?」「どのくらい大変なの?」と、実際に起きていることを理解できる材料を探すことで、その後の対応策のバリエーションが広がり、適切な言葉でやり取りができるからです。
ステップ3.ねぎらい
「少し休む?」「何か飲む?」「マッサージしようか?」などと、相手がリラックスできる環境を提案し(声に出さなくても動作で見せていくのもいいでしょう)、「私にできることはあるかな?」などと聞いてみると、ニーズがつかめるかもしれません。
このように、「受け止め」「状況把握」「ねぎらい」の3つの反応ステップの最大のメリットは、相手に落ち着いてもらえることです。人は安心感を得て、感情を穏やかにできれば、より良い決断や行動を自発的に再開できるからです。
娘は自分で解決策を考えることができた
「社会とはそういうものだ」という尺度は、誰もが持っているかもしれませんが、それを口に出さず、常に相手の立場に立った一言を捻り出す一手間をかけていきたいものです。
ちなみに、娘の事例ではまず「こんなに遅くまで疲れちゃうよね」(1.受け止め)と伝えました。続けて画面を見せてもらって、「もうこんなにできているんだね」(2.状況把握)と理解し、「疲れをとってあげるよ」と、ハグをして、マッサージ(3.ねぎらい)をしてあげました。
すると娘は「もう本当に疲れたよ」と声に出すと、しばらくして、すっきりとした様子で「とりあえず、あと30分だけ待って、それで終わらなかったら先生に明日、自分で説明する」と言って、時間と気分を区切ることにしたのです。
結果的には、提出先の設定が修正され、宿題のデータを時間内に送ることができて落着。「ママ、ありがとう」といつもの笑顔で伝えてくれました。