「3つのメリットがあります」はNG

【メリットとデメリットのギャップを利用する】

×ありがちなフレーズ

この商品には3つのメリットがあります

○心が動くフレーズ

この部分は弱いですが、ここはとてもいいです

先ほどの項目では、「“軽い暴露トーク”でお客様の心をつかむ」という話をさせていただきました。この項目では、そのバージョンアップ編である“デメリット・メリットトーク”の活用法について紹介します。こちらも知っておくと便利です。

郵便局で学資保険の解約に行ったときのことです。「そのお金をすぐに使わないのであれば、利子がつく商品にお金を入れておいたほうがいいですよ」と提案されました。たしかに、それは納得できる提案です。私は、話を聞くことを承諾しました。

写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

すると、その窓口の人はパンフレットを出して、「この金融商品には3つのメリットがあります」と言ってきます。

「いまなら手数料が無料です」
「毎月引き落としにすると、金利が○%アップします」
「連動型なため、ローリスクでしっかり利益が出ます」

私はどんなトークをするのか興味があったので話を聞くことにしたのですが、つまらないメリットの羅列ばかりでした。ただ、すぐに話をさえぎるのも気が引けたので、その後、話をもう少しだけ聞き、きっぱりとお断りしました。

デメリットを伝えないと信頼されない

私は営業トークの研修で、「メリットを3つ以上続けて話してはなりません」とよく言っています。その理由は、メリットの話が3つ以上続けば、お客様も飽きてきますし、何より「本当にそんないいことばかりあるの?」と疑う気持ちが出てくるからです。

ふだんあなたがお客様にしているトークを思い出してください。もしかしたら、「この商品のいいところは○○です。また、最大のメリットは独自の製法により、○○できることです。さらには○○といういい面がありまして……」といったトークをしていませんか?

どんな商品でも、デメリットはありますし、お客様はそれを知っています。そこを1つも説明せずにメリットだけを羅列しても、いい結果にはつながりません。心理学の1つに“片面提示・両面提示”というものがあります。いい面だけを言う人はうさんくさく感じられ、いい面と悪い面の両方を言ってくれる人は信頼を得られるというものです。

先ほどの郵便局でのトークであれば、「こういったリスクがあるのですが、この部分はとてもいいです」という組み立てだったら、結果は違っていたと思います。メリットだけのトークと比べて、一気に信ぴょう性が高くなるのです。

私が推奨しているトークに“デメリット・メリットトーク”というものがあります。これは文字どおり、はじめにデメリットを言い、その後にメリットを言うというトークです。メリットを羅列する癖がある人は、この“デメリット・メリットトーク”を試してください。いままでになかったような、いい反応を得られるようになります人はいい面だけを伝えても信じません。やはりメリットとデメリットの両方を教えてくれる人を信用するのです。

・POINT
デメリット→メリットの順で伝えれば、信ぴょう性がグンと高まる