「この機能はほとんど意味がないんですよ」

私が新しいテレビを購入しようと思ったときのことです。「ネットで買おう」とも考えましたが、せっかくなので接客も体験したいと思い、リアル店舗に行くことにしました。まずは、A電機に行くことに。店舗に入ってテレビコーナーに行くと、すぐに1人の店員さんが近づいてきます。

写真=iStock.com/Filipovic018
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「40〜45インチくらいのテレビを買おうと思っている」と伝えると、「こちらのテレビは最新型で、画像がキレイでいいですよ」と説明してきます。薄型でなかなかよかったのですが、相応に高い金額です。私が難色を示すと、今度は「では、こちらがいいですよ。コスパもいいですし」と別の商品を勧めてきます。失礼な接客ではなかったものの、まったく買う気が起こらず、お店を出ました。

その帰りに、たまたま通ったB電機に入りました。私の心境としては、「とりあえず金額だけ見て帰ろう」と、ほとんど買う気はありませんでした。そこでお会いした店員さんは、素朴な雰囲気で、とくに売り込んではきません。

希望の大きさのテレビを見ていると、「じつは、この機能はほとんど意味がないんですよ」と言ってきます。さらには他の商品についても、「この機能は便利ですが、こんな欠点もあります」と教えてくれたのです。この一言二言で、私は「この店員さんは信用できるぞ」と判断しました。

“軽い暴露ネタ”が客の心をつかむ

信用できる人からの「普通に使うのでしたら、このグレードくらいがベストです」という提案には説得力があります。はじめこそまったく買う気がなかったものの、結果として「この人からどうしても買いたい」と思い、即購入を決めたのです。

お客様に対して、「それは見ればわかるよ」といった説明をしていないでしょうか?

「先月出た最新モデルです」「高性能で、こんな機能があります」といった説明をしても、お客様にはまったく響きません。そうではなくて、「これは知らないだろうな」といった情報を提供するのです。あとで支障にならない程度の“軽い暴露ネタ”がベストです。ぜひ、こういった情報をうまく伝え、お客様の心をつかんでください。

・POINT
他の営業パーソンとは一味違ったトークでインパクトを与える