穐田が去った食べログで起きた「やらせ」問題

後の話になるが、食べログは穐田が離れた後、ふたつの大きな問題を背負い続けている。

ひとつはレビューのなかに「やらせ」が存在していること。レビューや口コミのサポート業者が飲食店の点数を高くするような行為を行っていることだ。

野地秩嘉『ユーザーファースト 穐田誉輝とくふうカンパニー 食べログ、クックパッドを育てた男』(プレジデント社)

2019年にある飲食店がX(当時はTwitter)に「食べログの評価3.8以上は年会費を払わなければ3.6に下げられる」という疑惑があると投稿した。複数の同業者から「うちもそんな経験をした」と訴えがあった。これに対して食べログを運営するカカクコムは「食べログとの何らかのお取引によって、お店の点数やランキングが変動するということは一切ない」と疑惑を否定した。

2022年には食べログが2019年5月21日に行った「チェーン店の評点を下方修正するような(アルゴリズムの)変更」が独占禁止法に違反する「優越的地位の濫用にあたるか否か」が争われた第一審の判決が出た。

東京地方裁判所は「食べログ」のアルゴリズムについて、カカクコムが行った2019年の変更は独占禁止法違反であるとして、同社に3840万円の損害賠償の支払いを命じている。だが、裁判はまだ続いている。

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