関西人しか知らない「これから伸びる駅」

「関西ではそれなりに有名だが、関東ではあまり知られていない」という駅が、関西には多数存在する。その代表格が阪急の十三じゅうそう駅ではないだろうか。

十三駅(神戸本線)の駅名標(写真=そらみみ/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

十三駅は大阪梅田駅から淀川を渡ったところにあり、神戸本線、宝塚本線、京都本線が乗り入れる。当然のことながら、十三駅は乗換駅として機能し、昼夜を問わず乗換客で賑わう。

1日の乗降客数は京都河原町駅に次いで、阪急全駅では第6位。乗降客数は約5万8000人である。

また不動産・住宅サイトSUUMO(スーモ)が発表した「住みたい街(駅)ランキング2023」において、十三駅はランクインしていない。その背景には、昭和の時代から「十三=大阪屈指の歓楽街」というイメージがあるからだろう。

しかし、十三は現在、ポテンシャルが高いエリアとして注目を集めている。

なぜ十三駅がターミナルになるのか

まず、鉄道面から見ていこう。

現在、阪急では新大阪~十三間を結ぶ「新大阪連絡線」と十三~JR大阪(うめきたエリア)間を結ぶ「なにわ筋連絡線」を計画している。

「なにわ筋連絡線」は2031年春開業予定の南海・JRが乗り入れる「なにわ筋線」に接続し、南海・JRに乗り入れるかたちで新大阪駅から十三駅、大阪駅(うめきたエリア)を経て関西空港へ乗り入れる。阪急は両路線を「なにわ筋線」に合わせるかたちで同時期の開業を目指すとしている。

つまり、十三から新大阪、関西空港へ1本でアクセスできるようになるのだ。なお、「新大阪連絡線」「なにわ筋連絡線」が乗り入れる十三駅はJR大阪駅(うめきたエリア)のような地下駅になる。

これは南海の線路幅が狭軌きょうき1067ミリメートルであることに起因する。阪急の線路幅は標準軌1435ミリのため、現行の阪急電車は南海に乗り入れることはできない。いずれにせよ、十三駅は現在よりもさらにパワーアップした駅になるのだ。