悩みを認めれば、解決できる悩みが出てくる
最近はイクメンという言葉も一般化し、育児参加、家事参加に積極的な夫が増えました。
とはいえ、結婚生活も長くなってくると、夫が家庭をまったく顧みなくなるというケースも少なくないと聞きます。
高度成長期には日本のビジネスパーソンの働きぶりが「猛烈社員」と欧米から揶揄されたことがあります。
その当時、猛烈社員である夫が家庭で口にする言葉は「メシ」「フロ」「ネル」の3つしかないという言い方がされました。
家庭内でロクな会話もない。子どもの教育にも無関心。何かを相談しても、「好きにしたらいいだろう」……。当時さながらのそんな夫と暮らしている妻には不満が募るでしょうし、少しは家庭を振り向いてくれる夫になってほしいと悩みもするでしょう。
そこで、対話を求めたり、少し過激に夫をなじったりすることになるかもしれません。もちろん、それはいいのです。その妻のアクションに応えて、夫が変われば、悩みは解決されます。
しかし、妻がいくら対話を求めても聞く耳を持たない、どんな対応にも応えようとしない、という夫であったら、妻の不満もストレスも増し、悩みは深まることになるでしょう。
ならば、そろそろ夫を変えようとして悩むのは、打ち切りどきです。いくらそれを続けても問題は解決されません。
夫が変わらないという前提で、自分がどうするかを悩む。その方向に舵を切るのです。すると、いくつかなすべきことが見えてくるはずです。
一線を越えなければ、家庭の外で心弾む時間を持ってもいい
たとえば、家庭外に友人関係を築いて対話を楽しむようにする。
学生時代の友人と旧交を温めるのもいいでしょうし、隣人に積極的にアプローチして、いわゆるお茶飲み友だちになるのもいい。仮に週に一度でもそういう機会を持つようにすると、気持ちは格段に晴れるものです。
あえて誤解を恐れずいえば、異性の友人をつくって、たまにお茶を飲んだり、食事をすることだって、あってもいいのではないでしょうか。
越えてはいけない一線というものはあると思いますが、それを踏まえたうえでなら、自分に振り向かない夫のことを悩む妻が、家庭の外で心弾む時間を持つことは許容範囲内でしょう。
家庭を顧みないということの中には、生活費を入れてくれないということも含まれますね。
しかし、夫が「自分が稼いだ金を自分が好きなように使ってどこが悪い」と開き直っているタイプだとしたら、その金銭感覚を変えるのはほぼ不可能です。
このケースでは自分がお金を稼ぐことを考える、どうすれば自分の稼ぎで生活を維持できるかを悩む、ということになるのだと思いますが、それが難しければ、夫に見切りをつけ、離婚に踏み切るという選択肢もあるわけです。
いずれにしても、解決の見えない悩みに翻弄されることはなくなります。解決を求める悩み方になるのです。