孤独は人間の条件

いつか自分も、家族や友人、大切なパートナーに先立たれ、世界で自分はただ一人になってしまったなどと、悲しみにくれる瞬間が、やってくるかもしれません。

もともとパートナーがおらず、天涯孤独のひとだって、この世の中にはたくさんいます。

孤独とどう向き合えばよいのでしょうか。

いろんなひとからこう聞かれます。

孤独はたしかにつらいこと。けれども孤独は、人間の条件ではないでしょうか。

これは僕自身、若いころからさまざまな経験を繰り返してきた中で、孤独をどう解釈しようかと考えた末、たどり着いた答えです。

孤独は、生きていくうえでの条件です。孤独を受け入れる。孤独に感謝する。だからこそ、はじめて、自分以外のひとに対して、やさしくしよう、助けよう、思いやろう、となれるのではないでしょうか。

そう考えてから、僕は孤独をつらいとは思わなくなりました。

孤独であるからこそ、他人に感謝し、他人を思いやる。孤独であるからこそ、自分を見つめ、自分と向き合い、成長をしていくのです。それは決して楽なことではありませんが、誰もがそうやって自分の人生を自分のちからで歩んでいくのです。自分の船を自分でいでいくように。

写真=iStock.com/Hakase_
※写真はイメージです

孤独よりつらいのは孤立

ただ、孤独よりつらいことがあります。

それは、孤立です。

ひとから自分が必要とされない。自分もひとを受け入れない。

松浦弥太郎『眠れないあなたに おだやかな心をつくる処方箋』(小学館)

もっと言うと、自分さえよければいい。

すべてを他人のせいにして生きていく生き方とでもいいましょうか。

孤独と孤立。漢字で書くと似たような言葉ですが、その意味はまったく異なります。

ひととひととのコミュニケーションが、まったく取れない。あるいは取ってもらえないのが、孤立です。

いつも思うのは、孤独は、生きていくうえでの最低条件として、受け入れていくことができるけれど、孤立というのは、自分自身が原因であったり、自分自身が招いて起こることです。孤立は自分のせいなのです。

関連記事
【第1回】「あんなことを言われて納得いかない」理不尽な言動を受けた夜でもぐっすり眠れる6文字の魔法の言葉
人生に「夢を持つ」のはやめなさい…「自分は負け組だ」と落ち込む人が根本的に勘違いしていること
「死んではいけない」は大間違い…人生の悩みの9割を一発で吹き飛ばすイスラーム学者の"パワーフレーズ"
人生や仕事はうまくやろうと気負ってはいけない…「良い人生」が実現する3つの条件
「精神科医が見ればすぐにわかる」"毒親"ぶりが表れる診察室での"ある様子"