北海道出身者にとっては東京も大阪も「内地」

また、北海道出身者は北海道愛が強く、

「北海道なら~」
「北海道では~」
「北海道だったら~」

と北海道の話ばかりします。つまり、彼らの頭の中では、北海道こそが世界の中心なのです。本州のことすら「内地」と言い、「この前、旅行で内地に行ってきた」とざっくりした話し方をします(東京も大阪も「内地」です)。つまり、中華思想ならぬ北海道思想と言えるでしょう。

ただ、暑さに慣れていない人が多く、道外で夏の訓練があるとゲッソリしている姿もわりと見ます。特に、空挺くうてい団などの精鋭部隊に配属された隊員には、「体力的には問題ないが暑さに弱いのが課題」という隊員が一定数いるのも特徴でしょう。

イラスト=iStock.com/bgblue
※イラストはイメージです

自衛隊は「笑ってはいけない組織」?

関西地方の自衛官をひと言で表すと「濃すぎる」です。体育会系のノリと徹底的にお笑いに対して貪欲なのが特徴です。

中学生のころからお笑い芸人になるために命をかけてきたけど挫折して入隊してくる隊員や、両親から野球以外の喜びを知らない野球アンドロイドとして育てられたけどプロに入れるレベルじゃないので入隊してきた隊員、なんかオモロそうだからノリで入隊した隊員など、関東とは一味違った濃さがあります。関西出身の隊員のエピソードだけで本がマルっと1冊書けるレベルのワンダーランドです。

自衛隊は、笑いが許されない組織のイメージが強いですが、関西の自衛官は、隙あらばウケを狙ってきます。

若手幹部が真面目で固い話をダラダラとすると、

「小隊長、その話のオチは何ですか?」

怒涛どとうの「で、オチは?」の攻めに苦しむことになります。関西の自衛官に話をするときは、短くて理解しやすくオチのある話をしないといけません。

もちろん、関西の隊員のノリが嫌いで、本気で怒ってくる指揮官もいますが、関西の隊員にとっては、「攻めすぎて中隊長がキレた!」というのは、むしろおいしいエピソードになります。

レンジャー訓練中の厳しいエピソードも、

「草壁さんが、喉が渇きすぎて草についた朝露をなめまくったら、レンジャークサナメとあだ名された」

などの面白エピソードに変換されます。