ストレス解消に最適な「旅ラン」

このような意味において、朝の時間のランニングは脳のバランスを取り、記憶や思考を整理し、精神のメンテナンスもおこなってくれる。まさに理想の運動といえるわけです。

私自身の経験からも、早朝ランニングが脳のモビリティを高め、脳のメンテナンスにとって不可欠なものになっています。朝の時間に走っているからこそ、忙しい毎日をストレスなく全力で乗り越えていくことができていると実感しているのです。

「早朝のランニングはちょっと……」そんな方のために私が推奨しているとっておきのストレス撃退法を教えましょう。それは、旅先で走る「旅ラン」です。

旅ランとは「旅×ランニング」を略したもので、その名の通り旅行先や出張先でランニングを楽しむことを意味しています。意外にもこの旅ランはストレス解消に大いに役立つのです。

なぜなら、旅ランではいつもと違う景色や自然、観光名所などを楽しみながら走ることができ、日頃のストレスから解放されやすい環境だといえるからです。走るのは苦手だけど、旅行は好きという方も多いと思いますが、観光名所を訪問するにしても、クルマや公共交通機関だけでは“点”でしか印象に残りませんが、自分の足で走ってみれば、その土地の魅力を“線”でつなぐことができます。

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セレンディピティに出会える

私は仕事で出張することが多いのですが、行った先では必ず走るようにしています。これまでに走ったコースは、カナダのバンクーバーや、私が旅ランのベストコースだと断言しているケンブリッジ大学の近くにあるグランチェスター・メドーなど、国内外200カ所を超えました。

見知らぬ地を走る旅ランには魅力がいっぱい。その一つは、何といっても先にも紹介した「セレンディピティ」に出会えることです。それは人だったり、お店だったり、動物だったり、風景だったり、その土地の文化だったりとさまざま。そういう中に、意外な発見や学びがあったりするのが旅ランなのです。

そうしたセレンディピティに出会うため、私が旅ランをやるときは事前に地図を眺めて「どこを走ろうか」と綿密に計画するのではなく、ある程度のルートを決めて走ってみて、「予定とは違うけれど、こっちのほうが景色がいいからこっちを走ろう」などと、気ままにコースを変更してしまいます。

すると、たまに小路に迷い込んでしまうようなこともありました。そんなときには、慌てずにそのあたりを探索してみると、ガイドブックやネットにも載っていないような素敵なレストランが見つかったりして、食事をしてみると大当たりなんてこともありました。