パン派よりコメ派なら炊飯器を持ち込めばいい

私は学校でお米を炊いたりシャケを焼いたりしていたことがありました。

当時、私は昼食を持参する派でした。

友人はみんな学食を利用していましたが、私は金欠だったので、毎日サンドイッチを作って食べていました。

ある日、一緒に昼食を食べていた友人たちからこんなことを言われました。

「リコピンはお米よりパン派なの?」
「お米派だよ」
「じゃあどうして毎日サンドイッチを食べているの?」

言われてみれば、どうして私は毎日サンドイッチを食べているんだろう?

お米派なら、別に、手作りの弁当でもおにぎりでもいいじゃないか。

改めて考えてみると、私は「冷めた白米が嫌い」だったのです。

冷めた白米を食べるくらいなら、パンを食べたほうがマシなので、無意識にサンドイッチを作っていました。

「それなら学校でお米を炊けばいいのか!」

そう思った私は、翌日から学校に白米と炊飯器を持参し、その場で米を炊くようになりました。

実は友人たちもみんな炊き立ての白米が大好きだったようで、炊いたものをみんなで分けあって食べるようになり、非常に好評でした。

自宅から持参したおかずでも、炊き立ての白米と食べると最高に美味しかったです。

シャケを焼いたらもっと満足度が高まる

しかし、人間とは強欲なもので、一度欲が満たされるとさらに上を求めるようになります。

ホカホカの白米を食べるようになった私は、今度は自宅から持参したおかずのシャケが冷めていることが気になりました。

「それなら学校でシャケも焼いたらいいのか!」

その翌日、七輪と生シャケを持参して、駐輪場で焼き、火災報知器とスプリンクラーを作動させてしまいました。

写真=iStock.com/GI15702993
※写真はイメージです

「家の外でも、炊き立てのお米が食べられたらいいのに」、「さらに、おかずも出来立てならなお良い」というインサイトがあり、それを再現した結果です。

規則には違反してしまいましたが、周囲の友人からは好評でした。

素直な「こうだったらいいのに」を純粋に再現するのが、「良い解決策(コンセプト)」を生み出すコツだとわかりました。

「常識的にはできない」ではなく、「どうやったらできるようになるのか」を常に考え続けるのが大切です(もちろん、ルールは守りましょう)。