落ち込んだり疲れたりしたら、とにかく寝ること

バカな頭で考えたって何も良いことはないし、何も解決しません。でも寝ていれば、どんなに頭の悪い人間でも間違いを起こす心配がありません。おかしな考えに取りつかれたり、人生に幻想を抱いたりすることもありません。

寝ていれば疲れも取れるしストレスも溜まりませんから、落ち込んだり、疲れた~、と思ったりした時にはとにかく寝ましょう。

そもそも朝無理して起きて、満員電車に乗って会社に行くということ自体が間違っています。本来、人間はそういったことに大丈夫なように作られていません。

他人が自分に近づくことを許せる限界の範囲、つまり心理的な縄張りのことをパーソナルスペースといいます。

アメリカの文化人類学者エドワード・T・ホールの分類によると人間のパーソナルスペースは「3.5メートル以上の公衆距離」「1.2~3.5メートルの社会距離」「45センチ~1.2メートルの個体距離」「0~45センチの密接距離」の4つのレベルに分かれます。

レベル4の密接距離はキスやハグができる距離です。この距離に入ることが許されるのは家族や恋人のような親密な人間だけで、そうでない人間がこの距離に入ってくるとはっきり不快を感じます。

「満員電車に乗れる」は教育による洗脳

人間という生き物は手が届く範囲に他人が入ってくれば不快を感じるようにできているのです。満員電車に詰め込まれるなど、本当なら殺し合いになってもおかしくない虐待です。

そんな蛮行が堂々とまかり通っているのは「毎日朝早く起きて、電車に乗って会社に行く」ことが正しいと、教育によって洗脳されているからです。

中田考『どうせ死ぬ この世は遊び 人は皆 1日1講義1ヶ月で心が軽くなる考えかた』(実業之日本社)

今の教育は、人間を「早朝の満員電車に乗って働きに行ける」ように作り変えます。人を何かの役に立つ奴隷、機械に作り変えるのが教育なのです。そうやって資本主義を機能させ、維持するのに役立つ人間を作るのが近代教育の本質です。

本能的には逃げたくなるような状態でも、本能を麻痺させて、「毎日時間通りに出社することが偉いんだ」とか「苦しくても頑張ればいつか報われる」とか、そういったことに価値があると刷り込むのが教育の役割になっています。

今すぐ目覚まし時計を捨てましょう。それで遅刻して上司に怒られたって、会社をクビになったって何の問題もありません。むしろ好都合です。スマホのアラーム機能も削除して、寝たいだけ寝て、起きたい時に起きる。それが大事です。

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