ウクライナ保安局(SBU)はこの攻撃作戦を称賛したが、どのような種類の無人機が使われたのかは明かさなかった。SBUの匿名の関係者はウクライナの英字紙キーウ・ポストに対して、無人機はクルスクのロシア軍基地にある「スホーイSu30戦闘機4機と、ミグ29戦闘機1機」に命中し、パーンツィリS1対空ミサイルシステムとS300地対空システムを損傷させたと述べた。本誌はこの件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

ウクライナの通信社であるRBCウクライナは、この攻撃で16機の無人機が使用され、このうち3機が撃墜されたとするSBUの匿名の関係者の発言を引用した。この人物によれば、攻撃はSBU防諜部門の第13局が実行したという。

ウクライナはSYPAQ製ドローンを使用したと認めていないが、駐オーストラリア・ウクライナ大使のバシル・ミロシュニチェンコはX(旧ツイッター)に、「ロシアの飛行場を攻撃するのにオーストラリアの段ボール製ドローンが使われた」と書き込んだ。

SYPAQは3月にオーストラリア政府と70万ドルの契約を結び、ウクライナに供与する「コルボ」ドローンの製造を引き受けた。同社は「コルボ」について「段ボール製の航空機」だと説明しているが、過去の報道資料には、この航空機は「ほぼ全体がワックス加工されたフォームボード」で作られていると書かれている。

ドローンはフラットパック(開封後に組み立てる平箱包装)の状態で引き渡される。「コルボ」の最大積載量は約3キログラムで、飛行距離は約120キロメートル。偵察用ドローンとして設計されており、最近の複数の報道は、ウクライナがこのプラットフォームを自爆攻撃用ドローンに作り変えたことを示唆している。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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