「作業時間の見積もり力」こそが、優秀な人の証し

締め切りや納期を守ることは、仕事における、いわゆる「基本のキ」です。まったく意識しない人は、さすがにいないと思います。

他方、「基本のホ」とでもいうべきものが「作業時間の見積もり」です。

この「作業時間の見積もり」は、見すごされがちな要素です。何かひとつの仕事に取り組むときには、「これを終わらせるにはどれくらいの時間がかかるのか」を考える必要がありますが、残念ながら、あまりちゃんと考えない人が多いのです。

30分で終わる仕事もあれば、3時間かかる仕事もあります。

なかには、ほかのことを一切やらなかったとしてもまるまる5日(8時間×5日=40時間)や10日(=80時間)かかる仕事だってあるかもしれません。

作業時間をしっかりと見積もれなければ、納期を守ることなどできません。

大事なのは「ちゃんと間に合いそうか」を精度高く理解することです。

仕事に取り掛かる前に「ちゃんと間に合いそうか」を考えます。そこで「間に合いそうにない」ということがわかっていれば、上司やお客様との間で納期を少し後ろ倒しに調整できるかもしれません。

事前に見積もることでトラブルにも手が打てる

もし納期を動かせないのであれば、「ほかの人に手伝ってもらう」「自分が担当しているほかの仕事を調整して、納期を守るための作業時間を作る」といった手が打てます。

田中耕比古『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)

一方で、仕事を進めていくなかで「間に合わない」ことが発覚した場合は、できる打ち手が少なくなっています。そもそも、作業時間を見積もっていたわけではないので、間に合わないということになかなか気づけません。

その結果、気づいたのが、締め切り直前になってしまったりもします。これは最悪です。

1カ月前から言われていたのに、気づくと納期の3日前。いざ取り掛かってみると、思いのほか難しい。まずは1日かけて、あれこれ調べながら試行錯誤して進めてみたところ、どうやらこれは、あと5日はかかりそうだ、と気づいた。ゾッとしますね。

仕事の質を高め、周囲からの信頼を得るためには、「作業時間を見積もる力」に裏打ちされた「納期を守る姿勢」が極めて重要なのです。

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