仕事ができる人、できない人は何が違うか。戦略コンサルタントの田中耕比古さんは「とりあえず始めてみて、うまくいかなくて困ってから考えるのは、残念な仕事のやり方だ。仕事の目的に対して、どのような手段を用い、どのくらい時間がかかるか把握することで、手戻りが少なくなりチーム全体の仕事の効率が上がる」という――。

※本稿は、田中耕比古『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

朝に働く時間、モバイルビジネスのライフスタイルは、屋外のラップトップコンピュータで動作します
写真=iStock.com/coffeekai
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仕事ができない人がやっている「禁じ手」の種類

「あいつは仕事ができるなぁ」
「彼は上司に評価されているなぁ」
「なぜあの人はお客様に信頼されているんだろう」

そんなふうに人のことを羨ましく思ったり、憧れたりした経験はありませんか。

「仕事ができる人」と「仕事ができない人」は、一体何が違うのでしょうか?

仕事ができる人と、仕事ができない人の間には、仕事の進め方に対する明確な違いがあります。

その違いとは「仕事を進める順番」です。

仕事ができる人は、仕事を始める前に「しっかりと考える」のです。

これが仕事のできる人、できない人を大きく分ける最大の要因だと言えます。もちろん、その「考える」の精度の違いも重要なのですが、まずは考えるかどうかが大切です。

たとえば、パワーポイントで資料を作るときに、「いきなりパワーポイントを開いて資料を作り始めてはいけない」と言われます。似たようなことを、あなたも一度は耳にしたことがありませんか。

まずは思考を整理し、ノートにまとめてから、満を持してパワーポイントを使う。

このような順番で資料作成をしなければ、パワーポイントの画面を眺めながら、延々とああでもない、こうでもないと図形をいじって、時間を浪費することになってしまいます。

まず、目的や考えを明らかにし、関連する情報をどのようにまとめ、どのように物事を進めていくかといったことを整理してから、行動に移す必要があります。

しかし、「仕事ができない人」は、このやってはいけない「禁じ手」を、普段の仕事でやってしまっています。